不器用な優しさ 弐【高杉晋助】

４３約束 ページ19

「逃がすかぁ！」




「時間切れね…早く行きなさい」







「Aさんは」





向かい来る天人を一掃するが…この調子ではまだ済まなそうだな





こんな戦い方をするのは随分と久しぶりな気がする






「少し鈍ったかな…」





と剣を握りなおし、こちらに向かってくる敵を目に映す








「派手にやったなァA」





しかし、私のところにたどりつく前にその足は止まった






「晋助…いいの？こんなことして」






仮にも手を組んでいるというのだから、良いわけがないのだが





「それより、気は済んだか」



全く気にしていないようだ




「…さぁね」







「…無理強いはしないつもりだったんだがなァ」





「無理そうだ」









気付けば再び愛する彼の腕の中にいた









「…攫ってくれるんでしょ」





「約束…守ってよ…」

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