不器用な優しさ 弐【高杉晋助】

３７対峙 ページ13

【高杉said】



「神楽ちゃん大丈夫」





再び騒がしくなった甲板に出れば




昨晩の小娘に、小僧、白い…天人か？






「ここはいつから仮装パーティ会場になったんだ」






「エリザベス！！」






エリザベスと呼ばれた白い生物を背後から斬った






……が、手応えがない。









「エリザベスじゃない…桂だ！！！」









「晋助様！！」





二つの声が響いたのはほとんど同時だった





意表を突かれたとはいえ、幸いにも傷は深くない






「ヅラァ生きていやがったか」







「あぁ、貴様の無能な部下のお陰でな」






「余程興奮していたらしい。よく確かめもせずに、髪だけ刈り取って去って行ったわ」






斬られた着流しから薄い冊子を手に取る





傷が浅かったのはコレのお陰だ






「まだそんなものを持っていたか」






「お前もコレのお陰で紅桜から逃れた訳か」

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