不器用な優しさ 弐【高杉晋助】

３６敵襲 ページ12

【来島said】




「Aさん、ここで待っててくださいっス」






爆撃を受け、昨夜捕えた小娘を連れて甲板に出た









「お前らの目的は分かってるっス」






「この小娘がどうなってもいいんスか」






拡声器を片手に叫んでみるが…





お構いなしに攻撃をしてくる









目的がコイツじゃないなら、コイツは一体何者？







「はははは、ばっかじゃねーの」




「あんな奴ら全然関係ないもんね」









「なに笑ってんの、アンタが一番危機的状況なんだよ!?」







こいつ本物の馬鹿だ







「神楽ちゃん助けに来たよ」









なんなんスかこいつら









誰の差し金かも分からないメガネ







考えれば考えるほど訳が分からない









ただでさえ、「Aさんに付け」という




晋助様の命令を無視してここにいる訳なのに…






桂一派だけでなくこんなガキにまで侵入されたとあっては


合わせる顔がない







「どうにかしてくださいっス武市先輩」






「こういうのはあなたの役目でしょう猪女」








「考えるのは先輩の仕事っスよ武市変態」





「変態じゃない先輩だっつってんのに」








こんな口喧嘩をしている間にも



船体が大きく傾いていく。気を抜けば海へ真っ逆さまだ







「神楽ちゃん助けに来といて何だけど…」





「助けてぇぇぇぇ！！」








私たちだけではなく、もちろん奴らも







「か、神楽ちゃん大丈夫？」




落ちた…ように見えたがメガネの方がギリギリのところで留まったようだ

３７対峙→←３５恋病

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す