不器用な優しさ【高杉晋助】

２　先生 ページ3

「そうそう、気にすることねぇですぜ？旦那」




そう言って銀時の後ろから出てきたのは真っ黒な隊服に身を包んだ少年。




「真選組？」




貫禄のある態度……

それでもまだ幼さが残る。





「でもねぇ総一郎くん？」




「まだ疑いがあるってだけでさァ」




「いや、君の場合そんな言葉気休めにもならないんだよね」




あくまで普段通りやる気のなさそうな態度。






「ねぇ、話が読めないんだけど」



「それここでしか話せないこと？」






別に不機嫌という訳ではないし、彼らに恨みがある訳でもない。


ただ邪魔なのだ。




「Aちゃん？俺、警察に追われてるの」



「そんな状況でこいつと２人きりにする気？」と加える。



「今度は一体何をしたの？」



ハァとため息をついて追われている理由を聞けば



「なんだその俺がいつも問題おこしてるみたいな言い方」



と、文句を返してくるし


問いの答えはない。



はっきり言って面倒臭い。とても



「旦那。彼女ですかィ？」



「え？そう見える？」




ニヤニヤしながら言う銀時。



「違いますよ。」



「そんな真顔で言わなくても」



泣き真似をしている銀時はこの際無視だ。




「ご挨拶が遅れました。

私、ここで寺子屋を開いています。結城Aと申します。」




「先生ですか」



「そんなご立派なものでもないのですが、まぁそんなところです」

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