不器用な優しさ【高杉晋助】

高杉晋助生誕祭３ ページ19

「私の家」



「家…そうか」



目を伏せる晋助を尻目に話を続ける



「すごく久しぶりな感じがするなー


宇宙にいた時間もそんなに長くないのにね」




重くならないようにというのもあるが


それ以上に彼の表情の意味がわからなかったからなんと声をかけていいのかもわからなかった




「後悔してるか？」




「何を？」



いきなりの問いに私はなんのことだか本気で理解できなかった



「俺についてきたこと」




「……月が綺麗ですね。」





「……？」



　
「後悔なんてしてないわ」




笑顔を向ければ戸惑ったように視線を逸らす晋助



「そうか…」




「ふふ、もうつくわよ」




「随分と人気のないところだな」




私の家は歌舞伎町の端のほうで、森に囲まれているため人気がないというのは事実といえる




「まさかお前ェ、夜に一人で出歩いてるなんてこたァねぇだろうな」




「え？」




「はぁ……」




確かに事実ではあるが、ここまで深いため息をつかれるとは




「大丈夫よ、この辺に住んでいる人もほとんどいないし、夜中に近づく人もいないから」




「ったく」




「まぁいいじゃない」






話しをしているうちに長い階段も登り終え久しぶりの我が家



夕食なども済ませてきたのであとは寝るだけ





「まさか本当に見つからねェとはなァ



真撰組っつったか？使えねェ犬だな」





「ふふ、ある意味有能すぎるわ」



「お前ェのあの自信、今度は何をやったんだ」




「保証するって言ったこと？


別に何も」



なんてくだらない話をしながら眠りについた

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