タクシーアルバイト ページ2
センサーによって自動ドアが開かれると、外の朗らかな空気を全身で受けた
ここから右に行ってすぐの所に乗り場があったはずだ……記憶も古くて間違っているかもしれないが
外に出て、さぁはやく身軽になろう…とタクシーを探していると康一くんが入口前で突っ立ったままなのが見てとれた。
どうしたの、と声を掛けようとして彼の顔を見ると一点を凝視しているみたいだったから、私もそれに目を向けた
そこには人がいて、警官らしい男2人が中高生程の少年を囲んで何やら騒いでいるらしかった。
更に凝視しているとどうだろう。何とその少年は、自らの耳を耳の穴にすっぽりと隠してしまったではないか！
中々に奇妙なものを見て少し驚いていると、男に何か小さな箱を握らせた少年がこちらを向いた。
目があった！！！
そう思ったのか咄嗟に視線を逸らす康一くん、
あからさますぎる…
内心呆れつつゆっくり少年から離れるように私も歩き出した。
「タクシーかい？
ねぇ？タクシーさがしてる？」
「い、いや！別に……」
「アルバイトでこれから帰るだけだから安くしときますよ。市内まで18万リラでどう？」
困り顔の康一くん。それを聞くなり「18万…18万てぇっと……」なんて口から零しながら指折り計算で日本円になおしはじめていた。しかし、まぁ…まだちょっと遅いかな。
「日本円で1万ちょっとだよ」
「あ、ありがとう……て、高いよ！相場は半分くらいでしょ？けっこうです、タクシー乗り場でちゃんと乗りたいですから」
「へぇ…言葉、すごくペラペラですね。
イタリア住んでたことあるとか？」
「いやぁこれは露伴先生に【喋れるように】…
ッて、そうじゃなくて！」
にしてもこの少年、中々諦めないな
……康一くんも素直に喋ってあげちゃうのがあまり良くないんだとは思うけど
彼とタクシーのことで揉めている少年の顔をグラスの間から盗み見る。歳は中高生くらいに見える金髪の少年。中々特徴的な髪型をしているけど毎朝自分で巻いてるんだろうか……失礼
物腰は大分落ち着いていてただならぬ気配を感じる
イタリアーノ……っぽくはない、適度に目鼻立ちのくっきりとしたその少年の瞳が、昔の旧友を少し思わせた。
「あ、Aさん！｣
いつの間にか交渉は成立していたようで康一くんが一緒にどうだと誘ってくる。
寄り道するから大丈夫、とだけ答えて私はターミナルを後にした
「……」
「どうしたんですか？」
「いえ何も……車はこちらですよ、お客様」
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のの。(プロフ) - チェリブロさん» えええ！！読んでくださってありがとうございます！！（感涙）こちらこそよろしくお願いします(><)もー更新楽しみに待ってます！！！ (2019年2月22日 21時) (
レス) id: 823b20b1c6 (このIDを非表示/違反報告)
チェリブロ(プロフ) - のの。さん» のの。さん、コメント嬉しいです！ありがとうございます！私ものの。さんの短編集読んでますよ！自分の知っている作者さんにコメント頂けるなんて……これからもよろしくお願いします (2019年2月22日 19時) (レス) id: 575ba94511 (このIDを非表示/違反報告)
のの。(プロフ) - 好きです。これからも更新頑張ってください。ほんとに楽しく読んでます、、ありがとう(((言いたいこと多すぎて何も言えない (2019年2月22日 14時) (レス) id: 823b20b1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェリブロ | 作成日時：2019年2月10日 20時
