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「A、先程のことだが「あのね」」
杏寿郎が言いかけたその時、Aがふと話し始める。
「悟のたった一人の親友がね、ある集落の人間を百人くらい皆殺しにして、犯罪者になったんだ」
Aは、歩きながら話を続ける。
「元々はさ、力は弱い人のために使うべきって言い続けてた人だったんだよね。
でも自分はやりたくもない呪霊を身体に取り込んで、その度に心を傷つけて、いつしか前が見えなくなっちゃってたみたい。
きっかけは呪術師が集落の人間から迫害を受けていたことだったみたいなんだけど、本当のところは分からないよね。
ただ。…ただ、傑はこんな気持ちだったのかと思うとやるせないなぁ」
降り頻る雨に濡れ天を仰ぎ見るAは、杏寿郎にはまるで泣いているかの様に見え、思わず抱き締める。
「A」
「…杏寿郎?」
「A、確かにAの持つ力は、力を持たぬ者から見ると畏怖の対象となるかもしれん。
人間と言うものは悲しいかな、大きい力に媚び、また排除しようとする時がある。
恐らく悟殿の親友も人間のそう言う部分に嫌気が差したのかもしれない。
だが、Aはそれを承知した上で、強き力を弱き者のために使おうとしているのだろう。
俺はAのそういう所に強く惹かれた。
今回のように辛く悲しい時は恐らくまた来るだろうが、俺は、俺だけは何があろうとAの側を離れない。
だから、A、一人で背負うんじゃない」
杏寿郎に抱き締められ、その忌憚ない言葉が心に刺さる。
「杏寿郎…」
(傑、ごめんね。あの時、杏寿郎みたいに、してあげられたら、何かが違ったのかな)
雨に降られながらも、杏寿郎の心音がAには心地良かった。
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煉獄さん推し様、リクエストありがとうございました!
芻霊呪法、悩み過ぎて遅くなっちゃってごめんなさい!
本当は藁人形を登場させようかなと思ったんですが、野薔薇も藁人形を使わず共鳴りを使用している場面が多々あるので、ヒトガタであればいいだろう、と勝手に解釈しました!
また釘の代わりに日輪刀を使ったのは完全に独自の解釈なので、有り得ないって思ってもそういうものかーくらいに思ってもらえると笑
ご期待に添えたかはわかりませんが読んでもらえると嬉しいです!
またリクエストお待ちしてます!
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さくら(プロフ) - 煉獄さん推しさん» 煉獄さん推しさん、リクエストありがとうございます!野薔薇が出てくるのはもう少し先なので、出てきたら書きたいと思います!その前にもしかしたら本編でも少しそういう話を作るかもしれません!のでもう少々お待ちください^ ^ (2021年12月9日 6時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
煉獄さん推し - すみません!追加で野薔薇ちゃんもその服探しに参加して欲しいです! (2021年12月8日 7時) (レス) id: 8d57d47a4b (このIDを非表示/違反報告)
煉獄さん推し - 煉獄さんと夢主ちゃんが渋谷、原宿に行って煉獄さんの現代服を買うって話書いて欲しいです! (2021年12月8日 7時) (レス) id: 8d57d47a4b (このIDを非表示/違反報告)
煉獄さん推し - 難しいお題だったのに描いてくださりありがとうございます!壊相と血塗みたいな血気術を使う鬼でしたね!今回の短編も大変満足しました! (2021年12月8日 7時) (レス) id: 8d57d47a4b (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 煉獄さん推しさん» 煉獄さん推しさん、リクエストありがとうございます!もう少し進んだら次編の短編集で書いてみますね!いつもありがとうございます! (2021年12月8日 0時) (レス) id: fc46cae9f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2021年11月16日 20時