呪霊か鬼か 短編集 ２ 【鬼滅の刃】【呪術廻戦】

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「杏寿郎！あれが本体だよ！…え！？」


Aが杏寿郎の方へ振り向くと、他の隊士と同様に杏寿郎は膝を折って座り込んでいた。


「ちょ、ちょっと、どうしたの！？」


「すまない、急に力が入らなくなってしまった…！」


「鬼の毒！？いつの間に…。

…まさか！！くっ！」


Aが気付くや否や、Aの身体も急に力が入らなくなり、その場に座り込んでしまう。


「はははは、ようやく効いてきたようだな」


本体の鬼がA達の前に現れ、声高らかに笑っている。


「お前の血か…！」


「気付いたようだけど、もう遅い。

俺の血は身体に入り込み、神経を麻痺させる。

どんなに屈強な男でも身体の中までは鍛えられないだろう？

俺が死ぬまで解けない血鬼術だよ」


(くそっ！反転術式で治しても、血が残っているせいで上手く動かせない！)


Aはまだ反転術式が使えているせいか他の人より動けてはいるものの、神経が痺れて、まともに足を動かすことが出来ずにいた。


鬼が爪を伸ばしてAに向かって近付いてくる。


「小賢しい技を使うお前からやってやろう」


「A！逃げろ！」


杏寿郎が叫ぶものの、Aの足は動かない。


(このままじゃ全滅…。一か八かやるしかない)

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