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「…くっ！！」
すぐにでもAの元へ向かいたかったが、身体が動かない。
何故そんな無謀なことを…。
もしこのまま目を覚まさなければ…？
俺だけがただただ生き続けるのか？
人間弱っている時にはどうしてか良くないことを考えるようだ。
思いを何かにぶつけたくとも思うように動かないこの身体を呪っていると、戸を叩く音が聞こえてきた。
「竈門です。
煉獄さん、少しいいですか？」
「あ、あぁ。
入ってくれ」
失礼します、と竈門が部屋に入ってきた。
「竈門少年、無事なようで何よりだ！」
「はい！
煉獄さんのおかげです！」
「いや、俺だけではない。
竈門少年、猪頭少年、黄色い少年、君の妹、そして…Aがいてくれたこそだ」
「…あの、Aさんのこと、少しいいですか？」
竈門少年がAのことと言うので、俺は少し驚いたが、話を聞くことにした。
「煉獄さん、どうか自分を責めないでください。
Aさんは、そんなことを望んでいないと思います」
「…何故そう思うのだ？」
「…倒れる直前、Aさん、笑っていたんです」
「…Aが笑っていた？」
表情をあまり見せないAが？
「はい。煉獄さんの手術を終えた後。
本当に、本当に綺麗な笑顔でした。
Aさんは自分を犠牲にしてでも煉獄さんを救いたかったんだと思います。
だから、煉獄さんが自分のことで苦しんでると分かれば、Aさんは悲しむと思います」
Aが笑っていた。
その言葉だけで、俺の中の何かが救われたような気がした。
「…そうだったのか。
…そう言うことならば、君が言うAの笑顔、俺にも見せてもらわなければならないな」
実のところ、俺はあまりAの笑顔を見たことがないのだ、と言うと、竈門少年はひどく驚いていた。
竈門少年は俺が意識を失っていた時のこと、その後のことを話してくれていたが、俺が起きたばかりだということに気付いたのか、すみません、長居してしまって、と謝りながら部屋を後にした。
竈門少年は本当に心根の優しい少年だ。
Aのことで俺が気を病んでいると思い、すぐに駆けつけてくれたのであろう。
おかげで心が少し軽くなったように思う。
今はまだ身体が動かないが、歩けるようになったら、Aにすぐに会いに行こう、そう心に誓った。
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さくら(プロフ) - カケオレさん» カケオレさん、コメントありがとうございます！少し忙しくなってしまい、土日しか更新が出来ないんですが、気長にお待ちいただけると嬉しいです！ (2022年3月31日 23時) (
レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - 更新待ってます！頑張ってください！ (2022年3月31日 14時) (レス) @page20 id: 661d0ebc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2022年3月6日 1時
