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一番救いたい人を救えなくて、一体何のための医術だ。
諦めるな。
考えろ。
考えろ。
絶対に助ける。
絶対に。
Aはどうしても諦められなかった。
目の前の最愛の人を失うかもしれない恐怖から、震える手を硬く握りしめながらも、目を瞑り、出来うる限りのことを考えていた。
臓器の損傷をどうにかすれば、助けられるはず。
けど、死者がいない状況で、臓器の代わりなんて…。
代わり…?
Aはハッと目を見開き、すぐに自分の鞄に手を伸ばすと、中から大きな白いシーツを広げ、声を上げる。
「炭治郎!伊之助!
煉獄をこの上に寝かせて!!」
Aに言われ驚きながらも、二人は力を合わせ、そっと煉獄をシーツの上に横たわらせる。
「A…、一体何を…?」
自分ではもう動くことの出来なくなった煉獄は、遠のきそうになる意識の中、Aに問いかける。
Aは鞄の中から、注射を一つ取り出すと、自身の服を捲り徐ろに腹に刺す。
「Aさん…?」
Aの行動に驚いた炭治郎は思わず声を掛ける。
代わりなら、ここに、ある。
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さくら(プロフ) - カケオレさん» カケオレさん、コメントありがとうございます!少し忙しくなってしまい、土日しか更新が出来ないんですが、気長にお待ちいただけると嬉しいです! (2022年3月31日 23時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - 更新待ってます!頑張ってください! (2022年3月31日 14時) (レス) @page20 id: 661d0ebc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2022年3月6日 1時