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45 運命が交差する時 ページ45

昔から、一人で生きるのは得意だった。


自分の師を手にかけた時、病院を追われた時、一人で生きていくことに問題はなかった。


だから、別に今回だって、一人で生きていける、そう思っていた。


しかし、そう思い込もうとすればする程、どうしても胸が締め付けられるように痛む。


だから、知りたくなかったのに。


だから、避けていたのに。


なのに、貴方はその真っ直ぐな心、燃えるような眼で、いとも容易く私の心に入り込んできた。


本当は貴方の想いを聞いた時、すごく嬉しかった。


それと同時にとても怖かった。


私なんかが一緒にいると貴方に迷惑がかかるのではないか。


私なんかが貴方の隣にいる資格など無い。


だけど、そんな私の浅はかな考えさえ、貴方は優しく包み込んでくれた。


貴方の隣に立っていいんだ、そう思わせてくれた。


嬉しかった。








でもやっぱり、私に幸せになる資格なんて無かった。


疑いは晴れたのかもしれないけど、貴方は組織の頂点に立つ人間。


こんな私が、隣に立つことなんて許されない。


おかげで目が覚めた。








心は鈍く痛むけれど、少しでも貴方に想ってもらえたその事実だけで、私は十分過ぎる程幸せでした。


願わくば、貴方に相応しい人と幸せに。








そして、私を受け入れてくれた皆の負担が少しでも減るよう、影ながら鬼の頸を斬ろう。



この命が尽きるまで。














「四十人以上もの乗客が行方不明になっていた列車が、明日運行再開するらしい」


「原因は分かったのか?」


「それがさっぱり分からないみたいだな」


「神隠しにでもあったんじゃねぇのか?」


そんなまさか、と男が笑いながら話す。


情報を仕入れるために行きつけている居酒屋で、男達が話しているのを聞いたAは、店を後にした。


恐らく、鬼の仕業だろう。


そのことは勿論鬼殺隊も把握しており、列車には隊士が配置されるであろう。


Aは躊躇ったが、どうしても胸騒ぎがする。


帽子を目深に被り、目的の駅へと向かい歩き始めた。

46 無限列車→←44 後悔



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さくら(プロフ) - ゆかりさん» メッセージに送らせていただきましたので、確認をお願いします! (2022年2月20日 12時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - さくらさん» 返事遅くなってごめんなさい。大丈夫です! (2022年2月19日 21時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 雪さん» 雪さんコメントありがとうございます!ご指摘、直しました。誤字が多くて申し訳ございません。 (2022年2月11日 8時) (レス) id: 2c8a922d81 (このIDを非表示/違反報告)
- また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが…。 同じく27.慟哭のここの部分 ○○←名前は、思いもやらぬ煉獄の声の大きさに目を見開いて驚くも、すぐにいつもの様に戻る。 これ正しくは思いもよらぬ (2022年2月11日 1時) (レス) @page27 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
- 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 27.慟哭のここの部分 悪い思ったんだが、と前置きをした上で、煉獄が事の顛末を話す。 これ正しくは悪いと思ったんだが、ではないんでしょうか? (2022年2月11日 1時) (レス) @page27 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくら | 作成日時:2022年1月23日 22時

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