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「そうか、だが無理はするな!辛い時は俺を頼れ」
と言う杏寿郎に、Aは一瞬目を見開き、
「…じゃあさ、手を広げてくれる?」
とAが言うと、杏寿郎は不思議そうに、こうか?と腕を広げる。
Aは広げた腕の中に身体を預け、
「あったかい…」
とAが言うと、杏寿郎は一瞬固まるが、すぐAを抱き締め、
「こんなことでよければいつでも大歓迎だがな」
と嬉しそうに笑う。
しばらくお互いの体温を確かめるように抱き締めあっていた。
Aはふと大事なことを思い出し、杏寿郎の身体を腕で押し、見上げて聞く。
「そうだ!杏寿郎に痣のこと聞きたかったんだ!」
「痣?」
「そう!上弦の鬼と戦っている時に、顔に出てた痣のことなんだけど」
「ふむ。痣はよくわからないが、身体の調子がよかったな」
「やっぱり…」
「その痣が何かあったのか?」
「うん、そのことで槇寿郎に聞いてたんだよね」
とAが言うと、杏寿郎は真剣に話を聞く。
「正直なところ、あまり痣を出して戦って欲しくない」
「…何故だ?」
「身体能力は大幅に向上するみたいだけど、身体の負担が大き過ぎて、痣が発現した人は、25歳までに死ぬって」
とAから聞くと、杏寿郎は一瞬眉を顰めるが、すぐに、
「そうだとしても、鬼を滅するために痣の発現が必要であれば止む無い」
「…って言うと思ったよ」
杏寿郎はむ!と思考を先読みされたことに、少し驚く。
「じゃあさ、杏寿郎に痣が出てなくて私に痣が出て、25歳には死にますって言われたらどうする?」
「む…!それは駄目だ!」
あまりに正直に答える杏寿郎が可笑しくて、あははは、と笑うA。
「私の気持ち、分かってくれた?」
「うむ。A…、すまない」
「うん、分かってくれればいいよ。杏寿郎が鬼殺隊も私のこともどっちも大事なのは分かってる。試すようなこと言ってごめんね」
「いや、俺が自分のことしか考えてなかった!そうか…、25か。…A、早死にするような俺では、Aのことを「幸せに出来ないって?」」
よもや!!と杏寿郎はまた先読みされたことに驚き、一旦停止する。
「私を誰だと思ってんの?」
とニッと笑うA。
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さくら(プロフ) - 星猫さん» 星猫さん、初めまして!コメント&高評価ありがとうございます!嬉しいです^ ^ (2021年9月30日 20時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして!とっても素敵ですね!高評価しました! (2021年9月30日 18時) (レス) @page36 id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 氷飴さん» 氷飴さん、ありがとうございます!面白いと言っていただけるととても励みになります!これからもよろしくお願いします^ ^ (2021年9月17日 18時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴 - 1の時から見てるんですけど、面白くてこの作品大好きです!これからも無理ない程度に頑張ってください。応援してます! (2021年9月17日 16時) (レス) id: ab4c7ac665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2021年9月17日 7時