【wrwrd！】彼女と彼女と僕【大先生】 (ページ1)

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街中が綺麗な照明に彩られている。まさにクリスマスシーズンといった毎年の風景だ。
今日は空がよく澄んでいて紺碧と言うには暗すぎるが、それにしてもとても綺麗な青色だった。そんな空に色鮮やかな照明はよく合っていた。
吐いた息は白く、手は手袋をしているにも関わらず悴んでいた。
手をさすりながら辺りを見渡すと頬を染めて歩くカップルや、わいわいと賑わう集団などで溢れかえっていた。
彼女はおもむろに手袋をとり、ポケットに手を突っ込んでスマホを探った。
連絡の表示はない。ロックを解除してきちんとメールを確認しても新着はなかった。
彼女がすこし悲しそうな表情をした瞬間、肩に手を置く者がいた。
｢おまたせ｣
｢大先生……遅いよ｣
｢ごめんごめん、女の子待たせるなんてさいてーやわ｣
｢ほんとに｣
彼女はため息をついた。呆れかと思えばそうではなく、つい先程までと違ってすこし艶やかなものだった。そして彼女は目線を少しあげる。
｢なに、俺に見惚れてるん？｣
｢ツリーにね｣
そんなわけないじゃないという態度で彼のうしろを指さして言った。
彼はツリーを一瞥してふくれっ面で、
｢もー、せっかく久しぶりに会えたのに？俺の事見てくれへんの？｣
といった。彼女はくすくすと笑った。
｢さすがにツリーの方がでかいし、魅力あるからね｣
｢さすがにってなんやねん、俺の事、み、て！｣
彼に両手で顔を包まれる。
ドキッとして、己の頬が染まっていることに気づいたが、どうしても彼のせいでそうなることが癪だった。そう、きっとこれは霜焼けだ。
彼女はちょっと得意気になって、ふくれている彼を見つめ、口角を上げて言った。
｢好きだよ｣
これで満足ですか？かっこつけでかわいい彼氏さん。

side*ut

僕今めっちゃ不細工な顔してんちゃうかと思いつつも、馬鹿にしてくる可愛い彼女には僕を、俺だけを見て欲しかった。手を添えた頬はほんのりとピンクに染まっていて僕まで照れた。
彼女の唐突な｢好きだよ｣に僕の方がみるみる赤くなっていくのが自分でもわかった。
まあ大丈夫や、これは霜焼け。1歳差とはいえ俺の方が歳上なんやからな、余裕見せたるわ。
僕は、
｢愛してるで｣
この愛おしい頬にキスを落とした。