Every Season -T.K-

10 ページ10

大輝side






最近ありがたいことに仕事が忙しくて






あんまり家に帰れてなかった






ふう〜






やっと我が家






って言ってもひとりか…






まって、家に帰ってなさすぎて鍵見つかんねえ






ゴソゴソ…






ひとりで鞄をゴソゴソあさっていると






？「大輝くん？！」






…え






この声は！






あの子だ絶対






俺が振り返ると同時にハッと我に返ったように






？「馴れ馴れしくごめんなさい、工藤さん…」






っていう彼女






下の名前で呼ばれたのが嬉しすぎて






そんなこと全然ないよ、むしろ嬉しい






とか言いたかったんだけど






よく考えるとさ






ここ9階だよ？






俺と同じ？






もしかして…ってお互いに言い合うと






コクリと頷いた






『…』






まじかよ…






同じマンションってだけでも嬉しいのに






胸が踊る






俺、もう既に、この子にハマっちゃってるのかも






俺、いま絶対顔赤い






A「Aです、AAです！あの、私編集者やってて、こんど武道館公演に向けてDa-iCEに密着することになって…だからその…よろしくお願いします」






丁寧に説明するAさんがもはや愛おしくて






…密着とか






もう、最高なの？






『Aちゃんって、呼んでもいいかな』

11→←9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す