検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:37,173 hit

# ページ4

微かに濡れる瞳が俺を捉えては申し訳なさそうに宙をさまよった。

「別に怒ってなんかないよ。お兄さんがそんなことで怒ると思う?」

「な…なーんだ、良かった」

「ふふ、Aちゃんは意外と礼儀正しいし、人の気持ち考えてるんだね〜、意外」

「何その言葉?フランシスさんでも腹立つなぁ」

いつもの半笑いで俺の頬をつまんだ。濡れ羽色の瞳がいたずらっぽく細くなる。

「や〜ん、Aちゃんたら怖ぁい」

「フランシスさん、私のこと無礼な女の子だと思ってたの?嫌だな、アーサーさんはそんなこと言わ…」

彼女の言葉を遮り、頬を掴む。その刹那、彼女は怯んだ様子で両手を胸の前で組んだ。

驚きが隠せないのか、大きな瞳が空中を泳ぐ。

「あのさぁ、Aちゃん。お兄さんでもさすがに…そこまでほかの男の名前が出るなんて、ちょっと我慢できないかも」

「ふら…しす、さん」

「そんなに、アーサーの坊ちゃんが好きならロンドンにでも行けば?」

「…!」

ぱ、と手を離し彼女を横目で見るとつままれた頬をおさえながら自虐的に笑った。緑色のピアスがキラリと光って俺の目を刺す。

「…なんて、嘘だよ。Aちゃんがアーサーのことが好きなのは知ってて、ちょっとだけ意地悪したかっただけ。」

「…な、なぁんだ」

彼女の濡れた瞳は、パリの向こう側を見つめていた。

United States of America→←France



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
42人がお気に入り
設定タグ:APH , ヘタリア , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 藤子さん» おひゃあ、嬉しみ。あの世界観はめちゃめちゃスーパー性癖(語彙力)だからもうありがたいっていうかすごい好きです…()また合作しましょうね〜!! (2018年11月29日 22時) (レス) id: fae735e792 (このIDを非表示/違反報告)
藤子(プロフ) - 読んだ!!!私なんかの思いつきを文にしてくれてありがとう!!!!! (2018年11月29日 22時) (レス) id: 771e5159cf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年9月16日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。