拾伍 ページ17
その日の夜。
「うわ、暗」
こんな夜に外出るの久しぶり……
久しぶりの集会がどんな空気感なのかわからなくて、私はハイウエストのズボンに、ショート丈のトップスで家を出た。
そういえば、髪、そろそろ染め直したいな…次は思い切って派手髪にしてみようかな。
武蔵神社に近づいていくと、バイクのエンジン音やコールが聞こえてくる。
あ、なんか、緊張するかも。
一歩、また一歩と近づくと、黒の特服に身を包んだ多くの人が目に飛び込んでくる。
人数、多い。東京卍會って、こんなに人増えてたんだ。
私は止まることなく、万次郎を探して歩き続ける。
すると次第にみんな私に気づき、女がいることにざわつき始めた。
「ん?オマエら何騒いで……ぇ━━━━━━━━Aさん…」
名前を呼ばれてそちらを向くと、三ツ谷が目を見開いてこちらを見ていた。
「……久しぶり、三ツ谷」
しっかり笑おうと思ってたのに、漏れたのは苦笑いだった。
「なんで」
「……いや、別に。ていうか、いつも万次郎かドラケンから集会ある時呼ばれてるし」
来たこと無かったけど。
「A……?」
次に名前を呼ばれて振り返ると、そこには圭介と千冬くんがいた。
「圭介」
圭介は、私のそばに歩いてくる。
「オレ、もう会ってくれねぇと思ってた」
そう言う圭介の声は、心做しか弱々しくて、気にさせてしまっていたんだと気がついた。
違う、圭介に怒っていたわけでも、嫌いになった訳でもない。
ただ、みんなと会うと真一郎のことを思い出しちゃうから避けてただけで……
って、突然避けられたら嫌われたと思うのが普通だよね……
申し訳ないことしちゃったな。
そう思っていると、突然背後から誰かに抱きしめられた。
「ひゃっ!?な、ん?あ、万次郎か」
一瞬驚いたが、匂いと背丈ですぐに万次郎だとわかった。
すると万次郎はつまらなさそうに「ちぇ〜」と言い、私から離れた。
「集会来るなんて珍しいな。どういう風の吹きまわしだ?」
「酷い言い方。今日も集会あるよって万次郎がメールくれてたじゃない。まあ、今日来たのは千冬くんが誘ってくれたからだけど」
笑いながらそう返すと、万次郎は不満そうに「は!?」と叫んだ。
「オレが何回誘っても来なかったくせに千冬に誘われたらすぐ来るのかよ!」
いやいや、あの人の誘い断れる人いないでしょ。
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作者名:まゆげない | 作成日時:2022年4月26日 1時