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「…それじゃ2点先取!!宵越先攻で開始ーー!!」
「カバディ」
キャントに照れが消えた。集中してるんだ…
キャントに照れが消えたかと思うと、宵越くんは畦道くんを殴った。
「うわっ……」
自陣に戻っていく宵越くんを見て私は思わず吹き出してしまう。
「よしッ1点目!!」
それに水澄くんと伊達くんが反則だぞ!と止めに入る。
「いいべよ…1点で…拳握ってるぶんリーチは短くなってんだ。油断してたおらがわりぃ。」
気を取り直して、次の攻撃は畦道くん。
宵越くんが倒しに行くも畦道くんが倒れるはずもなく、宵越くんは腰を掴んだまま得点と化した。
続いて宵越くんの攻撃。
宵越くんはピタ、と止まった。
畦道くんはタッチしようとし、空間のできた宵越くんの腰を掴みに行く。
それに宵越くんは後ろに下がり、手の甲をタッチ。
畦道くんは自陣に帰ろうとした宵越くんの足を
掴んだ。
畦道くんに脚を掴まれた宵越くんはそのまま地に伏してしまった。
宵越くんは自陣へと手を伸ばすが、それは叶わなかった。
「ヨイゴシ。これからは仲間だ。ヨロシクゥ!!!」
畦道くんに左脚を掴まれそのまま引っ張られる。一瞬宵越くんの身体が宙に浮くが次の瞬間地に叩きつけられた。
私は小さく拍手する。
「宵越、攻撃失敗。守備の畦道に1点が追加される。試合終了、2―1で畦道の勝ち!」
宵越くんは驚きのあまり動けないようだ。
「1年1組、畦道相馬!カバディ歴1ヶ月!好きなものはカバディ!!」
「2年、水澄京平!カバディ歴1年と1ヶ月!好きなものはカックイイもの!!」
「同じく2年、伊達真司!カバディ歴6ヶ月!好きなものは筋肉!!」
「3年、比羅川A!カバディ歴9年。好きなものは強いもの」
「自己紹介をするな……」
宵越くんは反対するように声をあげるが先程までの声と違い弱々しくなっている。
その彼の前に1枚の紙を持った井浦が立つ。
「クク…同じく、3年井浦慶…カバディ歴6年…好きなものはネット。嫌いなものは約束を守らない人間だ」
井浦が差し出したのは1枚の紙とペン。
その紙には“入部届“と書かれていた。
「「「「「 ようこそ!カバディ部へ! 」」」」」
私たちは笑顔で宵越竜哉をカバディ部へと出迎えた。
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作者名:神崎 奏 | 作成日時:2021年7月23日 13時