かけがえのある世界。【灼熱カバディ】 (ページ4)

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「んで、タッチの判定は…身体のどこでもいい。
服や髪の毛1本カスリでもしたらタッチになる」

畦道くんは水澄くんに手を伸ばすも、避けられてしまう。

「タッチした分…コレ…点が入るのか？」

「んー惜しいね！！接触後は『ストラグル』って言って…点が入る1歩前、点を手に握ってる状態なんだ」

井浦はグッ、と手を握り締める。

「攻撃手はストラグル状態から「陣地に帰った時」やっと点を得られる」

「カバディィィィィ！！」

「おッ…」

畦道くんが遂に水澄くんに触る。この状態がストラグルだ。

「ストラグル入った！！」

「オイオイ…」

「「陣地に帰る」って普通に帰れんじゃ…」

畦道くんは陣地に帰ろうとするもドッと音を立て水澄くん、伊達くんに倒される。

「…危ない危ない…」

「お前…これ宵越に見せたくてワザと触られたろ…」

手を伸ばせば入ったが、水澄くんに手を掴まれ
帰ることは叶わなかった。

「守備は鬼を捕らえ帰らせない事で逆に点を得る事ができる。この攻守を交互にやるのがカバディだ」

井浦の説明が一通り終わると、私は宵越くんの方を向く。

「じゃ、さっそくやってみよっか！」

「これをか！？」

宵越くんは驚いて3人の方を指さす。

「だーいじょうぶ。1年同士キャッチなしでやるから」

「…じゃ、試しに1回俺が攻撃するね。キャッチ…捕まえるのはナシ。単純なコート内鬼ごっこだ。
2人とも頭使って逃げろよー」

「ハァイ！！」

井浦はそれに答え、陣地に入る。

宵越くんは左に避けようとする。

あ、そっちに行ったら…

そう思った瞬間、宵越くんは右へ方向を変えた。

「………！」

だが、それは意味も無く井浦にタッチをされてしまい、そのまま畦道もタッチされ、自陣に帰られてしまう。

「カバディィィィィィ！！」

突如、畦道くんは宵越くんの頬をどすっと触った。

「へへーッ油断大敵だべヨイゴシィ！！カバディなめんなー！！」

その煽りに宵越くんは震え、フー…と息を吐き、
一見落ち着いてる様に見えるが。

額には青筋を浮かべ、見るからに怒り。シャツを脱ぎ捨て、陣地に入った。

「カバディが聞こえねぇべよ！？」

「おやぁ〜」と畦道はまた宵越くんを煽る。

「か…かカバd」

照れてる…最初は恥ずかしいよね。私も初めてしたとき誤魔化してたし。

時計を見ると、もう8時。

畦道くんと宵越くんでタイマンのカバディをする。

今度は正式なルールで、宵越くんが負けたら入部ということらしい。