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伊達くんの攻撃だ。
「カバディ！！」
宵越くんは伊達くんをコート際まで引きつける。
「5！！」
「おう！！」
それを合図に2人は同時に駆け出す。
宵越くんはコートの際まで引きつけて2人で倒しに行こうとしたが、頭を押さえつけられ、動けなくなってしまい二年チームの得点となる。
「カバディ…！！」
伊達くんは自陣に帰り、手の甲で水澄くんとハイタッチをした。
「チィッ！！攻撃だ！！」
宵越くんは大きな舌打ちをして、颯爽と攻撃へ向かう。
「カバディ！！」
「うおッ…」
宵越くんは水澄くんをタッチし自陣に帰り、1点獲得する。
次は水澄くんの攻撃だ。
「5！！3！！遅せぇぞコラ！！」
宵越くんは苛立ったようにそう言う。
それじゃ命令だ。連携の完成系とはまだ程遠い。
「宵越は間違っちゃいない…が、これじゃサッカーやってた頃の二の舞だぞ…」
「残り3分半…6点差か…」
「これ以上…とられると…マズイな…」
「大丈夫か！？おめ攻撃も守備も声出しっぱなしで…」
「るせー…お前は俺の指示に従ってりゃいいんだ…判断力も速さも…俺の方が上なんだ…！！」
宵越くんはそう言って会話を終わらせてしまった。
次の攻撃は伊達くん。
「カバディ！！」
「4ッ…」
数字で宵越くんがサインを出すが、畦道くんとぶつかってしまう。
その隙に伊達くんは2人をタッチし自陣へ帰って行った。
「くそ…取り返ッ…」
「次 おら攻撃な！！」
言葉を遮るように畦道くんは宵越くんの身体を突き飛ばした。
「てッ、てめー何しやがる！？」
「だっておめぇばっか攻撃やってんだもん」
「そりゃ俺のが速いからだ！！ちゃんと作戦に従え！！」
「『従え』だの『作戦プログラム』だの…おら、おめぇのための機械じゃねえぞ」
畦道くんの言うことは最もだ。
「落ち着け宵越」
宵越くんは、井浦に呼び掛けられたことで我に返る。
「井浦…」
「お前の弱点だ。思考も能力も人並み以上。そして今まで…1人でなんとかなっちゃったことが弱点！！」
「それの何が悪いんだ…」
宵越くんは、サッカーをしていたとき、きっと今みたいに1人で何とかしようとしていたんだと思う。
それ故にチームから孤立していた。
だから買い物に行った時あんな反応してたんだ…
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2021年7月23日 13時
