第85話 ページ36
そんな会話をしながら明日人たちを探して歩いていると、突然茂みから明日人と一星くんが出てきた。
「皆！」
「明日人…！一星くん…！！」
私は一星くんに正面から抱きつく。
明日人には剛陣がいち早く飛びついたからね。
「一星くん、大丈夫だった？」
一星くんから少し離れながらそう言うと一星くんは申し訳なさそうな顔をして言った。
「はい…申し訳ありませんでした。みなさんにご迷惑を…」
一星くんがみんなに向けて謝罪をすると、剛陣はそんな一星くんの襟首を掴んで、地面へと投げ飛ばした。
え………！！
「申し訳とかご迷惑とか言ってんじゃねえよ！お前はもう俺たちの仲間なんだよ！こう言う時は黙ってガーっと抱き合ったりするのがチームなんじゃねーのかよ！」
剛陣は一星くんの胸ぐらを掴み言う。
「ご、剛陣さん…」
剛陣に手を差し伸べられ、一星くんは立ち上がった。
「珍しく剛陣先輩の言う通りだ」
万作が微笑みながらそう言う。
「何も遠慮することはない。今までのことを全部ひっくるめて、俺たちは同じ目標を目指す仲間になったんだ」
「たとえぶつかったって、仲間ってことが変わるわけじゃないさ」
氷浦が万作に続けてそう言う。
「ゴス！部屋でももっと話そうゴス！」
「これからは何でも言ってくださいね」
岩戸とつくしちゃんも笑顔で一星くんにそう言う。
「そうだよ一星くん。私たち、もう誰も怒ってないし、一星くんのこと大切な仲間だって思ってる」
一星くんの手をそっと握りながら私は言葉を続ける。
「一星くんのことを嫌ったりなんかしないよ。もう1人じゃないよ、一星くん」
「みんな…ありがとう」
そう言う一星くんの瞳は涙で潤んでいた。
「だから抱き合いやがれ！」
剛陣が抱きつけば、一星くんが「汗臭いですよ」と笑った。
皆で笑っていると、他を探していた野坂くんたちも合流した。
「あ！みんな！」
「一星くん、見つかって良かったですね」
会長が笑顔で言う。
「うん！……剛陣に抱きつきポジション取られちゃったのは、ちょっと複雑だけどね」
ちろっと舌を出してそう言うと、野坂くんが笑う。
「でも、一星くんを救ったのは君の言葉でもあるんじゃないかな？」
私は、野坂くんを見てから剛陣に抱きつかれている一星くんを見る。
「………そうだといいな」
野坂くんの言葉に私は笑みを零した。
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神崎 奏(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます！めちゃめちゃうれしいです！！ (2020年4月13日 17時) (
レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白いです♪ (2020年4月13日 14時) (レス) id: b227610430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2020年4月3日 18時
