第84話 ページ35
フリーズする私を置いて、野坂くんは部屋から出ていった。
お、王子様………
ドギマギする心臓をおさえて私は忘れようと心に決めて、眠りについた。
▼
次の日。
結構遅くまで寝てしまった私は慌てて着替えて食堂まで行く。
食堂に行くと、皆この時間なら集まっているはずなのに、明日人と一星くんだけいなかった。
「あ、れ……2人は……」
「朝練にでも行ってるんだろ」
私の呟きに返したのは灰崎だった。
「おお、灰崎。おはよ！」
「お前今日寝坊したんだな」
「うーん……昨日眠れなくて」
野坂くんのキス事件。髪の毛にだけど……
会長のこと好きなんじゃないの？
勝手にそうだと思ってたんだけど。
そのまま明日人と一星くんが戻ってこないまま練習が始まった。
でも少しして強い雨が降ってきてしまった。雷の音も微かに聞こえる。
「それにしてもあの二人、どこ行っちゃったんでゴス？」
岩戸の言葉に風丸も考える素振りを見せる。
「確かに、ずっと連絡もないなんておかしいな」
朝から姿の見えない明日人と一星くん。
この雨の中外にいるなら、危ないと思う。
「これは事件だ」
氷浦がまた探偵モードに入った。
「朝からこんな夕方まで全く連絡もなく姿を消すなんて、何か不測の事態があったとしか思えない」
「…それ、同じこと風丸君が言ってたけど…」
士郎くんがそう言う。
「必ず解いてやるさ。ばあちゃんの名にかけて！」
「だから、一体何者なんだ」
風丸のツッコミを聞いて私は思わず吹き出しそうになってしまう。
デジャブ……
✿
氷浦が探偵らしく部屋を調べている。
あの虫眼鏡、意味あるのかな……？
「ふーむ。ここには特に手がかりはないようだ。イワトソン君、手伝ってくれ」
「イワトソン？」
「氷浦、この状況楽しんでないよね？」
私は隣で呆れている風丸を見て言う。
「そうじゃないと信じたいんだか……」
「あはは……」
結局、ジャパンのみんなで外を探しに行くことになった。
氷浦探偵は二人は掲示板に貼っていたチラシを見て滝のある方へ行ったのだと推理。
そのチラシにはカッパのイラストまで添えてあった。
「カッパだ！この滝にいるのかな？」
坂野上くんがわくわくしたように言う。
「カッパっていうのは想像上の動物で、本当にはいないんだよ」
タツヤがはしゃぐ坂野上くんに冷静に言う。
「ええっ！？絶対いると思うんですけど！」
「タツヤって、意外とロマンがないよね」
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神崎 奏(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます！めちゃめちゃうれしいです！！ (2020年4月13日 17時) (
レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白いです♪ (2020年4月13日 14時) (レス) id: b227610430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2020年4月3日 18時
