第80話 ページ31
「敵にサポートされてたって事かよ！」
灰崎が怒ると、子文くんもとい富士丸くんもといリ・ハオくんが慌てる。
「わわわ、すみません。これにはのっぴきならない過去の事情が絡んでいるのです」
「この際です。全部話してあげたらどうですか？」
「わかりました。お話します。僕は中国チームのFWリ・ハオ。親分……いえ……趙金雲監督のサポートをして、皆さんのレベルアップのお手伝いをさせていただいていました」
私はリ・ハオくんを見て首を傾げてしまう。
「どうして敵チームのエースが私たちのサポートなんて………」
「それは……僕と親分には、FFI優勝すること以上に大きな目的があるからです」
「目的？なんだそれ」
「あぁ…それは、話せば長くなるのですが…聞きたいですか？」
子文くんは困ったように眉を下げてそう言う。
か、かわいい……！
そういう事を考えていい状況じゃないことはわかっていながらもそう思ってしまう。
「聞かせろ！」
「話してよ、子文くん」
「わかりました。僕と親分が出会ったのは6年前のことです。僕が8歳の時でした」
子文くんが話してくれた話はこうだった。
子文くんはその頃、施設にいたんだけど、嫌な人達と喧嘩をして、路地裏で生活していたらしい。
食べ物を盗んだりして暮らしていた子文くんは、ある日男の人から財布を盗る。
その男の人が監督だったらしい。
子文くんは監督に捕まったけど、監督はお腹がすいていた子文くんに担担麺を奢ってあげたらしい。
そして監督は路地裏に居る子文くんの仲間たちにサッカーを教えたらしい。
子文くんたちはそうして監督の弟子になったらしい。
だけど、そんなある日。突然監督が子文くんたちの前から姿を消した。
子文くんたちは真っ直ぐ生きることを決め、サッカーの練習に励み、ついに大会の決勝戦まで来た。
そして、決勝戦の相手の監督が趙金雲監督だったらしい。
その試合は同点だった。
そしてその試合の後、子文くんは監督を追いかけた。
そして、こう言った。
☆
「親分の言うことはずっと正しかった。親分の言う通り真っ直ぐ生きてきた。だからここまでこられた。だけど、親分は一つだけ間違ってる」
「ほう……なんですか？」
「必要だから会うんじゃない。会いたいから会うんだろ！うぅ…」
☆
「こうして子文くんはいっぱしのサッカー選手として力をつけていきました。私が雷門の監督となる時に彼を私のサポート役として呼ぶことにしたのです」
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神崎 奏(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます！めちゃめちゃうれしいです！！ (2020年4月13日 17時) (
レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白いです♪ (2020年4月13日 14時) (レス) id: b227610430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2020年4月3日 18時
