第79話 ページ30
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その日は、ある日突然やってきた。
子文くんは大きなリュックを背負って、私たちに言った。
「みなさん、今までお世話になりました」
「子文くんは、のっぴきならない家庭の事情で代表キャンプを離れることになりました」
何言ってるの………！？
「最後までお付き合いできないのは残念ですが、みなさんは素晴らしいサッカープレイヤーです。きっといい結果を残せるはずです」
早々と話を進めていく子文くんに氷浦が言った。
「再起不能にしてやるんじゃなかったっけ」
"再起不能"どこかで聞いたことのあるフレーズだった。
「子文くん、あれだけのサッカーテクを持つ君がここを離れるということは、代表の面倒を見る以上の重要な要件ができたということかな？」
「何？」
「そんなに凄かったか？」
氷浦の言葉に剛陣が首を傾げる。
「確かに彼は、李子文としては大したサッカーテクを見せてはいない。だけど、君は別の姿で俺たちを圧倒した。1人で、5人を相手にして」
え、それって……！！
「はっ…まさか！」
「そう。彼は俺たちを苦しめた謎のサッカープレイヤー、無敵ヶ原富士丸だ！」
氷浦が子文くんに指をさしてそう言うと、子文くんはお面を外した。
お面をとった彼はあの強気な笑みで笑った。
『え〜っ！？』
「氷浦くんは僕の正体に気づいていたんですね」
「ああ、君がマスクをかぶるところを、たまたま見てしまったんだよ。後ろ姿だったけど、その髪型は覚えてたからね」
「何故バラさなかったんですか？」
「君の行動は俺たちの役に立っていた。隠しているからには何か意図があると思ったんだ」
氷浦すごい……
「ホーッホホホ！この際ですから、子文くんの正体をみなさんに公表するしかありませんね」
「はい。親分の考え通りに」
「では、今明かされる、李子文くんの秘密！ん〜、ぽち」
監督はそう言うとリモコンでスクリーンをつける。
それは中国チームの映像だった。
「これって、中国チームだよね？」
«中国チームの要はなんと言ってもこの人！エースのリ・ハオ選手でしょう»
そこには、フィールドを走り回る子文くんの姿があった。
「リ・ハオ？」
「てことは、李子文は無敵ヶ原富士丸で……」
「無敵ヶ原富士丸は中国のエース、リ・ハオ」
万作と風丸の言葉に明日人が驚く。
「え〜！？子文くんが中国チームのエース？」
「これはスパイどころの騒ぎじゃないね」
野坂くんが不敵に微笑んでそう言う。
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神崎 奏(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます！めちゃめちゃうれしいです！！ (2020年4月13日 17時) (
レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白いです♪ (2020年4月13日 14時) (レス) id: b227610430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2020年4月3日 18時
