第50話 ページ1
「一星くんには、悪の組織に従わないといけない事情があるでゴス。実は、一星くんの弟の光くんと文通してたでゴス」
文通！？弟！？
岩戸の衝撃的な一言に私たちは驚きを隠せない。
「一星くんの弟の光くんは、重い病気にかかっているんでゴス。きっと一星くんは、光くんを助けるために悪い組織の言いなりになっているんでゴス」
岩戸から告げられた衝撃の事実に全員が息を呑んだ
「それに、一星くんが怪しい奴と会っているのを見たでゴス。その時の一星くんの表情は…寂しそうだったでゴス。俺、思うんでゴス！一星くんは大好きなサッカーを裏切っても、弟の光くんを助けたいと覚悟を決めていたんでゴス！本当は、一星くんは誰よりもサッカーが大好きな人なんでゴス！」
「病気の弟が人質ってわけか。だから一星くんは、オリオン財団の指示に従ってきたわけだね」
野坂くんが以前冷静にそう言う。
「だったらさ、一星を何とかして救おうよ！オリオンの奴らの手から」
明日人の言葉に私は目を見張る。
「手術代なら、募金という手だってありますし」
坂野上くんも同意する。
「確かに、事情が分かれば打つ手はありそうだね。だけど大事なのは、一星くん自身の心を救えるかどうか…」
野坂くんが呟く。
「どういうこと？」
「僕が見たところ、彼は人質を取られて仕方なくやっているようには見えなかった。彼は、自分がやっていることに耐えられず、自分自身を悪人だと偽って生きているのかもしれない」
そんな………
「だったら尚更俺たちの手で一星を助けよう！」
「それでこそチームだ！よし！みんなで一星を助けるぞ！」
明日人と円堂の声に野坂くんが反応する。
「だけど、僕らが気づいたことを組織に悟られれば、敵は一星くんをターゲットにするかもしれない」
私は自分が刃物で切りつけられたことを思いだす。
あそこまでやるオリオンだ。
一星くんがターゲットになったら、何をされるかわからない。
オリオンの使徒………
もう治りかけてて痛くないはずの右足の傷がズキズキ痛んだ気がした。
「お前はどう思うんだよ。A」
ヒロトの声に私は顔を上げる。
みんなが一斉に私を見た。
「どうって……」
「大好きな円堂さんたちが連れていかれて、1番お前が精神的にもきてたじゃねえか」
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神崎 奏(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます！めちゃめちゃうれしいです！！ (2020年4月13日 17時) (
レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白いです♪ (2020年4月13日 14時) (レス) id: b227610430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2020年4月3日 18時
