開き直り6度「言い訳文句」 ページ8
〜？視点〜
ターゲットにしていた娘に僕の仕事を手伝って貰ったら、紅蓮の親方の怒りに触れてしまいあの街に居ることが出来なくなった。
まぁ普通に今考えるなら僕らキュウビが人の手を借りるなど無様な事。ましてやそれで上級になれると思うなんて甚だしいにも程がある。
という事で新しい街できゅん玉集めを再開した。
…夜になってしまってもとりあえず徘徊はしてみる。
今日も振られたとかでは無いしその上焦ってるわけでも無い。断じて無い。
ただ早く親方に近づきたい。それだけだ。
…この夜道に学生らしき少女がいた。
不思議に思いながらも観察してみる事に。
すると路地から出てきた男に捕まって話かけられていた
？:…
本能なのか、無意識に自然と人間化し始めた。
見た目の年齢的にあの少女に近い。
いいでしょう。
路地に入る前に…ふと横を見ると光る物。そして倒れてる妖怪。
近づくと、光る物は携帯で、泥棒の妖怪の頭には何故か大きなコブができていた。
そいつの手には妙に金具が付いている財布らしきもの。恐らく少女の物だろう。
泥ボ:…
燃やしておこうかと手をかざした時
A:んんんんー！んんー！！！
確かに聞こえた。
明らかに今の声は助けを求めているもの。
少女のものであろう物を拾い、地面に散乱した物も指鳴らしで直す。
？:……香咲 A
生徒手帳、ノートにもあるあたりこれが少女の名前だろう。
さて…
路地裏の奥へと進んだ。
〜〜〜
ゆらりと振り向くと元の姿に戻る。それだけで十分に応えたらしく男どもは逃げたさ。
少女を見る。
？:(…この様な光景は僕も嫌いではないが…)
指を鳴らし、少女を拘束するものを消し同時に彼女の視覚も戻した。
？:(今はとても気にくわないね。).
自然といつものBGMが流れる。
？:申し遅れました、僕(ワタクシ)の名前は「キュウビ」です。
後半にエコーがかかる。後は普段の口説き文句さ。
一通り言い終わった後で尋ねる
キ:ところで君の名前を聞いていなかったな
A:エッあっ「鈴宮咲」です←
少女から出てきた言葉が予想外過ぎて一瞬気が緩む。
自分の本名を隠すという事は明らか僕に対して思いは無い、という事だ。
本人は意識してるのか知らないがこんな屈辱はあの子以来…
…面白いじゃないか。
僕の瞳に自然と炎が宿る。
今回こそキュン玉を獲る…‼
…いや断じていつもは取れてないとかそういう意味じゃないからね？
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作者名：桜蘭 | 作成日時：2019年8月5日 14時
