五杯目「夜中に叫ぶな煩いから」 ページ6
?:貴様…見えているだろう。
A:…騙そうとしたことは認めるよ。…でも君が望む情報は私は持ち合わせて無いかな。
目を細め、にこりとしながら少年の顔を見る。
?:何者だ…人間。
A:何者も何も君のいう通り人間。ただの人間。…さぁ言ったよ。これで私が君に出来る事はもう何も無い。わかったなら早々に帰ってくれるかい?
?:…そういうわけにもいかない。他の者も巻き込まれる可能性もあるだろう。この空間はなんだ。そしてこの空間にいるお前は何か関係があるだろう。
警戒心が目に見える。そう簡単に帰ってはくれないようだ。
A:…ここはただの私の部屋。…昨日からそこに変な穴が出来ていたの。ほっといてたら君がでてきた。そんでこの有様。…私にもこの状況はさっぱりわからない。
真っ直ぐな瞳で見つめる。
?:…
(…だぁぁ…めんどくさいなぁ…)
A:本当にわからないのよ。今日は本当に疲れてるの。お願い、帰って頂戴。
困る様に演じてみる。そして更に真っ直ぐに見つめる。
すると、私の目を見つめ返し、
?:…わかった、信じよう。
少年が折れた。
少年が振り返り、穴の方へと向かっていく。
私はというと、(少しチョロいな、てかそこは飛ばないのね)とか考えながら裏でガッツポーズをし、先程飛んできた手紙を手に取る。
一枚のカードの様で裏返してみると、大きな字で、
一方通行
…と書かれていた。
?:……くっ…
少年の方を見ると、……昨日、ボールペンを投げ入れた時に拒んだ様に、少年が穴に入るのに苦戦していた。
?:はぁぁぁぁああああああっっ!!!!
神様はそれを見ながら(あー…頑張ってる頑張ってる…)と他人事の様に頑張る少年を眺めていた。
…すると
?:くっ………っ?!
物凄い風が少年を吹き飛ばし、神様がいる方へと飛ばされてきた。
神様はスッと避け、代わりに少年の服を思い切り掴み、ベッドに少年を投げ、少年はポスン、と受け身を取った。
神様は頭をかきながら立ち上がり、机からマスキングテープを取り出した。
そして穴のある箇所の上へ手紙を貼り付けた。
?:…これは…。
少年がまじまじとその文字を見る。
A:さっき届いた手紙。
神様はため息をついて、
A:…コーヒー、飲めるかい?
少年に笑いかけた。タイトル心情な今日この頃。
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作者名:桜蘭 | 作成日時:2019年8月15日 13時