【鬼滅の刃】今世では教師に溺愛されてるんだが【宇髄天元】

『...ありがとう、薫さん』 ページ8

私が子供達と遊んでいると、

やがて薫さんと宇髄先生が遊び部屋に入って来た。

宇髄先生を見た子供達は、男女どちらとも宇髄先生に駆け寄る。



「でっけー！」


「かっこいい！」


「おー、肩車してやろうか？」


「やったー！俺一番！」



子供の好奇心か、宇髄先生が扱い慣れているのかは分からないが、

宇髄先生はあっという間に子供達から大人気になった。

背が高いから怖がられるかと思っていたが、その心配はいらなかったらしい。


子供と遊ぶ宇髄先生を微笑ましく思っていると、薫さんが小さく手招きをする。



「流石に今日は無理だから引っ越しは明日になったんだけど、大丈夫？」


『多分大丈夫』



明日も授業は午前中に終わる。

午後に用意を済ませれば間に合うだろう。


...まさか、私がこの子達より早くここを出ることになるなんて思っても見なかった。

この施設に来たときから、他の子達の新しい家族を見つけることを優先してきたから。


自分で決めたこととはいえ、やはり申し訳なさはある。

保育園や小学生の頃が、一番親からの愛情に飢える時期なのに。

すると、私の考えていることが分かったのか、

薫さんが隣から私の肩をぽんっと叩いた。



「Aが責任を感じることはないのよ。

　あなたにだって幸せになる権利があるんだから」



...昔、私がまだ殺し屋としての過去に囚われていたときに、天元様にも言われた言葉。

薫さんが言ったのは、果たして偶然か必然か。



『...ありがとう、薫さん』



どちらでもいい。

また昔の様に暮らせるのであれば、それで。

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