【鬼滅の刃】今世では教師に溺愛されてるんだが【宇髄天元】

『いえ、別に狙っていませんよ。気になる男子も特にいません』 ページ38

所要タイムが指定時間ピッタリ、

問題も全問正解という文句なしの成績をおさめた私達のグループは、

言わずもがな優勝を勝ち取った。

何か賞品があるわけではないけれど、勝利というのは達成感が強い。


お昼を食べ各自部屋に戻り、レクリエーションの振り返りをしおりに記入する。

部屋のメンバーは当然女子なので、話題が恋愛系に移るのもそう遅くはなかった。



「ねぇねぇ、合宿のジンクス知ってる？」


「知ってるー！ブレスレットを交換した人と恋が叶うんでしょ？

　私絶対にウズセンの貰うんだから！」



宇髄先生の名前が出て、私は一瞬文字を書く手を止めた。

他の女子生徒もその人に便乗する。



「えー、私も狙ってたのにぃ」


「私もー。別のクラスの友達も貰うって言ってた。ライバル多過ぎ」


「蘭さんは誰かお目当ての人いないの？」



ふと矛先が自分の方に向いて、私は顔を上げた。

みんな興味津々という目で私を見ている。



「気になるー！蘭さん美人だし、狙ってる男子多いと思うよ」


「もしかして、蘭さんもウズセン狙いだったりする？」


「それはないでしょ。で、どうなの？」



教師と生徒の恋愛は禁止。

それは全員が分かっているはずだが、

それでも宇髄先生は多くの女子生徒の心を引き寄せてしまうらしい。

以前"卒業したら付き合いたい"と言っていた先輩もそうだ。


少し申し訳なく思いながらも、私は彼女達の質問に答える。



『いえ、別に狙っていませんよ。気になる男子も特にいません』


「竈門くん達は？いつも一緒にいるよね」


『炭治郎くん達は...幼馴染みのようなものです』



彼等と再会したのは中等部に入ってからだが、

実際何年も前からの知り合いなので、あながち間違いではないだろう。

私の返答に、彼女達は安心したように息をついた。



「よかったぁ。蘭さん相手だと勝てる気しないもん」


「それ。まぁどっちにしろ、結構厳しいと思うけどね」



その後は他の恋愛話へと話題が移っていく。

プライベートで交際している身としては、彼女達の応援が出来なくて本当に申し訳なかった。

『驚かせに来るのは鬼じゃなくて先生達だから、大丈夫よ』→←『それに、あくまでジンクスだもの。信用性もないし』

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