【鬼滅の刃】今世では教師に溺愛されてるんだが【宇髄天元】

『抱き着くのはやめて』 ページ17

「嘘でしょ嘘でしょ嘘過ぎない！？」



善逸くんの叫び声に、すぐ近くにいた私達は思わず耳を塞ぐ。

元気になったのはいいことだが、ここは教室。

もう登校していた生徒達が、揃ってこちらに目を向けた。



「静かにしろ善逸！」


「これが静かにしてられるかっ！！何で俺が休んでる間に風紀委員に任命されてるわけ！？

　そりゃあ女の子達の服装チェック出来るのは嬉しいけどさ！？」



「もうイヤダァァァァ！！」と机に突っ伏した善逸くん。

彼が最後に口にした不純な言葉に、私と炭治郎くんは顔を見合わせた。



『何がそんなに嫌なの？服装チェックは毎日じゃないし、

　校則違反者への注意は生徒会や冨岡先生が主にしてくれるでしょう？』


「それだよ！顧問が嫌なんだよ！

　あの人何回言ってもこの髪地毛だって信じてくれないし！

　そもそも髪染めるのアウトなのに黒に染めるのはいいのかよ！駄目だろ！」



「助けてくれよ炭治郎〜！」と、善逸くんは斜め後ろの炭治郎くんに抱き着く。

しかし、炭治郎くんはベリッと善逸くんを引き剥がした。



「善逸、決まった事ならちゃんと責務を全うするべきだ」


「なりたくてなったんじゃねーんだよこの堅物デコ真面目！！」


『善逸くん、そろそろ静かにして。みんな迷惑してるから』



その言葉に、善逸くんは動きを止める。

騒がしかった教室が静かになり、ヒソヒソと生徒達が話す声がはっきりと聞こえて来た。

その声と視線を受けて、善逸くんは大人しく自分の席に座った。


明らかに萎れている善逸くんを少しでも励ますために、私は口を開く。



『善逸くん、大変だと思うけど頑張って。

　困ったことがあれば、いつでも相談していいから』


「Aちゃあぁんっ！！」


『抱き着くのはやめて』


「ハイ」

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