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捌拾肆 ページ9

自分の妹の為に三人が命を懸けてくれていた事を知り、

竈門の目から自然と涙がこぼれ落ちた。


しかし、それで反対派の者達が納得するわけがない。

不死川は怒りで肩を震わせる。



「...切腹するから何だと言うのか。死にたければ勝手に死に腐れよ。

 何の保証にもなりはしません」



煉獄も続く。



「不死川の言う通りです!人を喰い殺せば取り返しがつかない!殺された人は戻らない!」



しかし、産屋敷は冷静だった。



「確かにそうだね。人を襲わないという保証が出来ない、証明が出来ない。

 ただ、人を襲うということもまた証明できない」


「!!」


「禰豆子が二年以上もの間人を喰わずにいるという事実があり、

 禰豆子の為に三人の者の命が懸けられている。

 それを否定するためには、否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない」



産屋敷の正論に、不死川と煉獄は言葉を詰まらせた。

しかし、次の産屋敷の言葉で一転する。



「それに、炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」



とんでもない事実に、柱達はおろかAですらも驚いた。



「そんなまさか...柱ですら誰も接触したことが無いというのに...!こいつが!?

 どんな姿だった!?能力は!?場所はどこだ!?


「戦ったの?」


「鬼舞辻は何をしていた!?根城は突き止めたのか!?おい答えろ!」



ひたすら竈門に質問攻めする柱達。

騒然としだした空気の中、産屋敷は静かに口元に指を立てた。

それを見た柱達は口を閉じ、産屋敷に向き直る。


そして、産屋敷は言った。

鬼舞辻が禰豆子に追っ手を放っていると。


しかし、それを聞いた瞬間不死川が自分の腕を斬った。

その光景に、他の柱達が唖然とする。



「お館様...!!証明しますよ。俺が、鬼というものの醜さを!」


「実弥...」


「お館様、失礼仕る」



不死川は産屋敷に一言断ると、禰豆子が入った箱と共に屋敷内へ飛び込んだ。

畳の上に箱を投げ出すと、勢いよく刀を突き刺した。



「やめろーっ!」



声を張り上げた竈門に、伊黒が肘を打ち付け肺を圧迫する。

その間に不死川は箱を開け、フラフラと立ち上がる禰豆子に血まみれの腕を差し出した。


出て来た禰豆子の目は、完全に鬼の目と化していた。

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桜餅(プロフ) - 織葉さん» ありがとうこざいます!作るの遅くなって申し訳ありません... (2020年2月16日 11時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
織葉(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも頑張ってください。応援しています!! (2020年2月15日 22時) (レス) id: f370ea2008 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イリア x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2020年2月15日 22時

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