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捌拾伍 ページ10

息を荒げながら不死川の腕を見る禰豆子。

妹の元へ行きたいのに、竈門は悶えるしか出来ずにいた。



「伊黒さん、強く押さえすぎです。少し緩めてください」


「動こうとするから押さえているだけだが?」



しかし伊黒は聞かず、むしろ強める一方だった。



「...竈門くん、肺を圧迫されている状態で呼吸を使うと、血管が破裂しますよ」


「血管が破裂!!いいな、響き派手で!よし行け、破裂しろ!」



観点がズレている者が一人。

随分と呑気な同僚に、Aは小さく溜息をついた。


そんな時、竈門が自分の腕に力を入れた。



『炭治郎...?』



竈門はキツく縛られていた縄を引きちぎった。

冨岡が伊黒の腕を掴み上げ、竈門は咳込みながら禰豆子の元へ走り寄る。



「禰豆子!」



兄の声が聞こえ、禰豆子は拳を握りしめると、不死川の腕から顔を逸らした。



「ではこれで、禰豆子が人を襲わないことの証明が出来たね」



ひなきとにちかから状態を聞いた産屋敷はそう言った。

そして、足元で安堵の息をついている竈門に視線を移す。



「炭治郎。それでもまだ禰豆子の事を快く思わない者もいるだろう。

 証明しなければならない、これから。炭治郎と禰豆子が、
 
 鬼殺隊として戦えること、役に立てること。十二鬼月を倒しておいで。

 そうしたら、皆に認めてもらえる。炭治郎の言葉の重みが変わってくる」



その言葉を受けて、竈門は決心した顔で産屋敷を見上げた。



「俺は...俺と禰豆子は、鬼舞辻無惨を倒します!!俺と禰豆子が必ず!!

 悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!!」


「今の炭治郎にはできないから、まずは十二鬼月を一人倒そうね」


『ふふっ...』



顔を真っ赤にする炭治郎を見て、Aは思わず笑いを漏らす。

他の柱達も、必死に吹き出すのを堪えていた。



「何で笑ってるの?」


『ちょっとね...』



今の件はともかく、炭治郎達は鬼殺隊の力になるはずだと、Aは感じた。

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桜餅(プロフ) - 織葉さん» ありがとうこざいます!作るの遅くなって申し訳ありません... (2020年2月16日 11時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
織葉(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも頑張ってください。応援しています!! (2020年2月15日 22時) (レス) id: f370ea2008 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イリア x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2020年2月15日 22時

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