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捌拾壱 ページ5

「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど、明らかな隊立案違反!

 我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」



先程の胡蝶の言葉を否定するかのように、煉獄が口を開いた。

他の柱達も続く。



「ならば俺か派手に首を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ」


「(えぇぇ...こんな可愛い子を殺してしまうなんて。胸が痛むわ、苦しいわ)」


「あぁ...なんというみすぼらしい子供だ、可哀相に。生まれてきたこと自体が可哀相そうだ」



三人は竈門を殺すという選択肢しか頭にないようだ。

そんな中、竈門は妹の禰豆子や仲間達がいないことに気付き、辺りを見回す。

すると、全員の頭上から別の声が降ってきた。



「そんなことより冨田はどうするのかね。拘束もしてない様に俺は頭痛がしてくるんだが。

 胡蝶めの話によると、隊立違反は冨岡も同じだろう。

 どう処分する、どう責任をとらせる、どんな目にあわせてやろうか」



そう言って、伊黒はある方向へ指差した。



「何とか言ったらどうだ冨岡?」


「......」



その先には、那田蜘蛛山で竈門と禰豆子を庇った冨岡が。

自分のせいで冨岡まで巻き込んでしまったと、竈門は責任を感じて顔を歪ませる。



「まぁいいじゃないですか、大人しくついてきてくれましたし。処罰は後で考えましょう。

 それよりも私は、坊やの方から話を聞きたいですよ」



竈門は抗議しようと頭を持ち上げ口を開く。

しかし、顎が割れている彼には不可能で、大きく咳込んだ。

胡蝶が水を飲ませ、痛みが和らいだところで、竈門が話し出す。



「...俺の妹は鬼になりました。けど、人を食ったことはないんです。

 今までも、これからも。人を傷付けることは絶対にしません」



しかし、竈門の言葉は意味がなかった。

そこに甘露寺がおずおずと口を開いた。



「あのぉ、でも一つ疑問があるんですけど...お館様がこのことを把握してないとは思えないです。

 勝手に処分しちゃっていいんでしょうか?いらっしゃるまで取り敢えず待った方が...」


「妹は俺と一緒に戦えます!鬼殺隊として、人を守るために戦えるんです!だから...」



甘露寺の言葉で、殺す側だった柱三人が押し黙る。

訴えるように、竈門は声を張り上げた。



「オイオイ、何だか面白い事になってんなァ」



そこに、今まで姿を見せていなかった不死川の声が重なる。

その手には、禰豆子が入った箱が乗っていた。

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桜餅(プロフ) - 織葉さん» ありがとうこざいます!作るの遅くなって申し訳ありません... (2020年2月16日 11時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
織葉(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも頑張ってください。応援しています!! (2020年2月15日 22時) (レス) id: f370ea2008 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イリア x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2020年2月15日 22時

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