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陸拾捌 ページ36

少女の名前は梓、姉の名前は亜子というらしい。


Aが話を聞いた限りでは、梓の両親は昔家を出て、

そのまま帰って来なかったらしい。

つまり、梓と亜子は捨てられたのだ。

 

『(こんな幼い子を、こんなところに一人で置いていく訳にはいかない...)』


「...Aお姉ちゃん、さっきはごめんなさい」


『え?』



一緒に山を下りている途中、梓が小さくそう言った。



「ほっぺ叩いたり、酷いこと言ったりして...」


『別にいいのよ。誰だって家族が目の前で殺されたらああなるから』



そんな会話をしていると、小さな家が見えてきた。

Aは決心して、梓に問う。



『梓。あなた、私の屋敷で一緒に暮らさない?』


「私が...Aお姉ちゃんと?」


『この山は、またいつ鬼が出てもおかしくないの。

 そこにまだ幼いあなたを一人残して行くのは危険過ぎる。

 お姉さんと暮らしてきたこの家とはお別れすることになるけど...』



そう言うと、梓はしばらく黙った後頷いた。



「うん...私、Aお姉ちゃんと一緒に住む!」



その返答に、Aは微笑んだ。



『じゃあ、荷物をまとめて来なさい。忘れ物がないようにね』


「はーい!」



大きく返事をした梓は、走って家の中へ入って行った。

夜光がAの周りをぐるぐると飛び回る。



「継子ニスルノカ?」


『梓はまだ幼いのよ。私は彼女に、わざわざ危険な道を歩んで欲しくない。

 どちらにせよ、お館様のご許可がいるから報告してきて。胡蝶殿にも』


「了解シタ!」



夜光がAの元を飛び立ったのとほぼ同時に、梓が少ない荷物を持って出てきた。



『それだけ?』


「うん。元々お金がなくて、何も買えなかったから...」


『そう...それじゃあ行きましょう』



Aが梓に手を差し出すと、梓は笑顔で握り返す。

最後に家と山にお別れをして、二人で屋敷への道を戻った。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

梓(あず)...十歳。肩までの茶髪に黒色の瞳。

  Aに助けてもらい、一緒に闇屋敷に住むことになった。



亜子(あこ)...十五歳。肩甲骨までの茶髪に黒色の瞳。

  梓の姉で、鬼化したためAに頸を斬られた。


大正コソコソ噂話

梓と亜子は昔から山で遊んだり木の実を取りに行ったりしていたので、

身体能力が結構高いそうです。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 男装少女   
作品ジャンル:恋愛
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桜餅(プロフ) - 天さん» 狐の面を付けなくなってから、正確には無一郎くんに過去を話した時から本来の声で喋ってます。分かりにくくてすみませんでした... (2020年4月2日 15時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
- 声を偽っていた設定ってどうなったんですか? (2020年4月2日 1時) (レス) id: c7394f7d2c (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 詩さん» ありがとうございます!現在受験の追い込み時期でして、更新が少し遅れそうなんですが、できる限り更新出来るよう頑張ります! (2020年1月19日 19時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
- 続き楽しみにしてます!頑張って下さい! (2020年1月19日 13時) (レス) id: 059c2de8f9 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 結衣さん» 絶対楽しいですよね柱の飲み会!楽しんでいただけて嬉しいです! (2019年12月29日 1時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イリア x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2019年12月28日 23時

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