【鬼滅の刃】闇柱は闇を背負う【時透無一郎】

参 ページ5

夜が来た。


Aは真ん中にある、町の中でも一番高い家の屋根に登り、

鬼がどこから来ても対処出来るよう待機していた。


しばらくして、町の南の方から鬼の気配を感じ取った。

町の南には、少し離れたところに大きな山がある。

そこから降りて来て、町の若い女を喰らっていたのだ。

　
Aは屋根を伝い、南へ急ぐ。

その目で鬼の姿を確認すると、刀を鞘から抜いて構えた。



『闇の呼吸、壱ノ型__夜鎌鼬』



完全に油断しきっている鬼の頸を、Aは夜に溶け込み目に見えない斬撃で斬り飛ばす。



「な、何が...起きた...！？」


　
着地したAの後ろから、そんな掠れた声が聞こえた。



「このっ...鬼狩りがぁぁ...！！」



そう言って、頸の斬られた鬼は灰となって消えていく。



貴『(コイツは多分...私の前に送られた隊士も全員喰っている)』



柱が直々に出向くのは、十二鬼月の可能性が高いと判断された時のみ。

そう判断されるのは、何人も送られた隊士たちが皆帰ってこない時が殆ど。

しかし、この鬼の目には、十二鬼月であることを示す数字が刻まれていなかった。



『(山が近いけれど、鬼の気配はしない...)』



もう大丈夫だろうと判断したAは刀を収め、

道中にあった藤の家門の家へ、少し痛む足を半ば引きずりながら向かった。



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大正コソコソ噂話

【夜鎌鼬(よるかまいたち)】は、月光を反射して斬撃を夜の闇に溶け込ませる技です。

身体への負担が少ない分、月の出ている夜しか使えないというデメリットがあります。






　

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