12話 ページ12
チャキッと、雲雀様は武器をしまった。
コンクリートのあちこちに広がる
血、血、血………
その血だまりの中に
夜の闇に輝く
月明かりを一身に受け
彼は立っていた。
振り返った雲雀様のあちこちに
返り血がついている。
私のせいで、貴方の身を汚してしまった。
「申し訳ありません」
そう言う私を彼はしばらく見つめ
ふと、袖でそれらを拭った。
「帰るよ」
「はい………っ……」
言われ、立ち上がろうとした
自身の足に、力が入らない。
……ひねったか。それとも、折れたか。
痛みに慣れた私には
よくわからなかった。
だが、立てない。
ッ動け！
これ以上、
雲雀様の迷惑になるわけには行かない。
そう思っているのに、
身体は応えてくれない。
なんで……？
動けっ、動いてっ……！
「く……」
「どうしたの」
駄目だ、
雲雀様をお待たせしてしまう。
「雲雀様、先にお帰り下さい」
「なんで？」
「私は、少ししたら行きますから」
そのまま私を黙って見ている雲雀様。
その視線が下へと移る。
「ご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありません。これ以上私に構うことなく……」
「遅い」
次の瞬間
浮き上がる身体。
先程の感覚とは違う、
力強く、温かい。
これは……？
横には
近くに見える
雲雀様の美しい顔。
「雲雀様？ こ、これは？ ど、どういう……？」
「煩いよ」
どうやら、
信じ難いことに
私は雲雀様に
抱き抱えられているようで。
「雲雀様！ これ以上私は……」
貴方に迷惑をかけたくないのです。
だから、どうかその腕をお離し下さい。
言うより早く
私を抱えるその腕に
力がこもる。
離さないよと
伝えるように。
「雲雀様……」
彼は無言で、
無表情で
いつもと変わらず
颯爽と歩き出した。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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ラッキーアイテム
桜餅
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阪サッカー(プロフ) - こういう非恋の小説ってあまり読んだことがないからか、最後は本当に泣きそうになりました。ストーリーも凄く面白かったです。 (2020年5月28日 8時) (
レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - いつの間にか10,000hit超えてました！皆様ありがとうございます！ (2017年6月2日 22時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 大変申し訳ありませんが以前作っていたこの作品の続編的な作品を諸事情により削除させていただきました。詳細はメイン作品のお知らせにてご確認下さい。本当に申し訳ありません (2017年5月8日 18時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
練爛々(プロフ) - 桜もちさん» わかりました！暇があれば読んでみます (2017年4月19日 6時) (レス) id: 4f09b777b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 練爛々さん» ありがとうございます！続編的なものを書き始めましたのでどうぞお暇があればご覧下さい！ (2017年4月18日 23時) (レス) id: bdfc419512 (このIDを非表示/違反報告)
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