番外編 お正月 ページ10
12月30日。今年最後の雲雀さんの仕事を片付けて、私は彼に尋ねた。
「あの、雲雀さんの住所教えて欲しいんですけど……」
不思議そうにこちらを見る雲雀さん。
「突然、何？」
「え、いや年賀状を送ろうと思いまして。色々お世話になったので」
へぇ、と納得したように頷く彼だが、この後私の予想を超える発言をする。
「僕、自分の家の住所なんて知らないけど」
「……え？」
唖然とする私に、彼は続けた。
「住所とか、そういう面倒なのは全て草壁がやってるんだよ」
いや、哲さんに頼りすぎでしょ。
はぁ、と項垂れる私にふと彼が言う。
「君が直接届けに来れば？ 僕の家の場所は知ってるよね」
「はい、じゃあ11時頃でも平気ですか？」
私がそう言うと、雲雀さんは了承してくれた。
そうして、今年のお手伝いを終えたのだった。
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迎えた元日。
起きてきた姉さんに新年の挨拶を済ませ、おせちを用意する。
「ねぇねぇ午後さぁ、ふぅちゃん予定ある〜？」
今年も変わることのなさそうな、間延びしたふざけた言い方で問われる。
「何かあるの？」
私がそう言うと、ふにゃぁっとした笑みを浮かべ、
「いや〜ふぅちゃんと、初詣デートしたいな〜とか思ってね♪」
「あーごめんね。11時くらいからさ、雲雀さんのとこ行かなくちゃいけなくて」
「え〜雲雀くんのとこ行くの〜？ え〜……いいよ〜♪」
いや、いいのかい。
今年もやっぱりテンションのおかしい姉さんに呆れながら、私は家を出た。
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チャイムを押すと哲さんが出て、部屋へと案内して貰った。
部屋に入ると和服姿の雲雀さんが座っていた。
「やあ」
「おはようございます」
戸を閉めて、彼の前に正座する。手を前に添え深く頭を下げた。
「あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします」
「あぁ、おめでとう。よろしくね」
その後、書いてきた年賀状を渡すが……
「新年の挨拶、直接しに来たのに……これ意味あるんですかね？」
「さぁね、一応受け取っておくよ」
ゆるく着流したその和服姿に、いつの間にか少し見とれてしまった。そんな私に気付く彼。
「何？」
「えっ！？あ、いや、和服、似合うなー、というか……」
何故か慌てて言う私に、雲雀さんは小さく笑みを浮かべた。
そうして少しの間、いつもと違うお正月を私は楽しんだのだった。
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桜もち(プロフ) - 2万hit突破してた、みなさんいつもありがとうございます！ (2017年8月4日 17時) (
レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - こちらも10,000hit突破！！感動です……皆様本当に、いつもありがとうございます！！ (2017年1月30日 21時) (レス) id: 1907d70f44 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 甘楽さん» ありがとうございます！ですよね、細かく書きたかったんですけど、さすがにちょっと削ることにします！ (2017年1月29日 20時) (レス) id: 1907d70f44 (このIDを非表示/違反報告)
甘楽 - リング戦結構長いですよね… 何だったら戦闘シーン少し位削ってもいいと思います。 頑張ってください (2017年1月28日 18時) (レス) id: 2e2894c595 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 守護者戦、意外と長い……！ (2017年1月27日 23時) (レス) id: 1907d70f44 (このIDを非表示/違反報告)
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