95話 発見 ページ7
「はぁっ、雲雀さん、どこ……」
建物を走り回ってどのくらい経ったのか。
未だ彼は見つからない。
まさか、ここにもいないとか……
ふと、そんな事が頭をよぎる。
視界はやっと正常に戻りつつあり、出血も止まってきた。
だが、やっぱりダメージは抜けていないようで、ガラスの破片に躓いた。
「いったぁ……はは、情けないな……」
自身に苦笑して、立ち上がったその時、激痛が全身を駆け巡った。
「うっ……！！」
思ったより、回復してない。
ふらりと倒れかかって、
あれ？
体制を立て直そうとするも足に力が入らない。
そうして地面に倒れると思いきや、
何かの穴に入ってしまい気持ち悪い浮遊感に襲われる。
うっわ、ついてないなぁ……せめて落下時そこまで痛くありませんように！
そう願ったが、壁の部品やら何やらでがっつり痛かった。
「いったいなぁ、勘弁してよもう…………ん？」
服についたチリを払いながら暗闇に目を凝らすと、
「……人、なのか？」
動いている様子はない。
大きな岩か？ と思いつつも近づいてみる。
数歩進んだところで、私は足を止めた。
「はぁ……はぁ……嘘……」
呼吸がままならない。
「うそ、ですよね？ ……うそだ」
動かない、暗闇の中にあったそれは、
「雲雀……さん？」
黒い髪に、周りにはトンファー。
そして、腕に風紀の腕章。
「雲雀、さん……雲雀さん、雲雀さんっ！！」
私は彼に駆け寄った。
彼の体はボロボロで、体の至る所から出血の跡がある。
意識はなく、呼吸も浅い。
「うそ、何で……！？ しっかりして下さい！！」
自身の体の痛みも忘れ、がむしゃらに肩を揺すった。
目を開けない彼に、私の頭は壊れそうだった。
「……ダメだ、何してんの、私……」
既のところで我に帰る。
私は急いでウエストポーチを漁った。
出てきたのは濡れタオルと絆創膏、少しの包帯くらいしかなかった。
何でもっとこういうの持ってこなかったんだ私！！
数時間前の自分を恨む。
それでもあるもので、最善を尽くそうと努力した。
固まった血や汚れを拭いて、傷がひどいところだけだが、包帯を巻いて……
私の、この焦りは何？
彼が負けるはずないじゃない。
だって雲雀さんだよ？
そう思ってたはずなのに私の中に異常な焦りが生まれている。
彼を信じたはずなのに……
その時、彼の手が動いた。
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桜もち(プロフ) - 2万hit突破してた、みなさんいつもありがとうございます！ (2017年8月4日 17時) (
レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - こちらも10,000hit突破！！感動です……皆様本当に、いつもありがとうございます！！ (2017年1月30日 21時) (レス) id: 1907d70f44 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 甘楽さん» ありがとうございます！ですよね、細かく書きたかったんですけど、さすがにちょっと削ることにします！ (2017年1月29日 20時) (レス) id: 1907d70f44 (このIDを非表示/違反報告)
甘楽 - リング戦結構長いですよね… 何だったら戦闘シーン少し位削ってもいいと思います。 頑張ってください (2017年1月28日 18時) (レス) id: 2e2894c595 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 守護者戦、意外と長い……！ (2017年1月27日 23時) (レス) id: 1907d70f44 (このIDを非表示/違反報告)
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