70話 入院 ページ26
「雲雀さんが入院？」
「あぁ、風邪をこじらせたらしくてな」
雲雀さんのいない応接室。
怖い怖い風紀委員長様にともに脅かされる仲間としてか、私は草壁さんとすぐに打ち解けた。
「哲さんは？ もうお見舞いに行ったんですか？」
「行った。だが、変なゲームをさせられてな……というより、お前も見舞いに行った方がいいんじゃないのか？」
「あ、哲さんもそう思います？ やっぱ行くか……でも、見舞いの品何にすればいいんですかねぇ」
「無難なものでいいんじゃないか」
「んーじゃあ果物にしようかな。土曜日に行ってくることにしますよ」
「あぁ」
・
・
・
・
迎えた土曜日。
私は果物のセットをもって雲雀さんの病室へとやってきた。
ノックを2回して入る。
「あぁ、君か」
「こんにちは、雲雀さん。哲さんから入院してると聞きましてね」
これ、お見舞いですと果物のセットを前に置く。
「後で食べるよ、そこに置いといて」
「はい……うわっ！？」
部屋の隅に行こうとしたとき私はあるものが目に留まった。
瀕死のツナとその他数名の男。
「あぁ、それかい？ 退屈しのぎにゲームをしていたんだ。けどみんな弱くて」
「そ、それはいったいどんなゲームなのでしょう？」
「簡単だよ、僕が寝ている間に物音を立てたら咬み殺す。それだけさ」
何その一方的なゲーム！？
哲さんがやらされたのってそれか！
で、負けるとこんな感じになるわけね！ とツナ達をみて手を合わせておく。
どんまいどんまい……←
「Aもやるかい？」
「え、遠慮しときます……」
誰がやるかそんなゲーム。
心の中で毒づくも顔は笑ってしまう。
何でか知らないけど、先週の休日に応接室へ呼び出された日から、
雲雀さんは私を名前で呼ぶようになった。
急にどうしたのこの人？
若干不気味だったけど、なんだか悪い気もしなかったのでそのままだ。
それからというもの私は名前を呼ばれるたびに嬉しくなっている。
まったくもって理解不能。
でもこの変な感情は考えてもよくわからないことはわかっているので放っておく。
「いつ退院ですか？」
「明日。もういいんだけど大事をとってるだけだから」
「そうなんですか、あ、リンゴ剥きましょうか？」
「好きにしていいよ」
そんな風に他愛のない会話をしながら、応接室とは違った雰囲気の今日を私は楽しんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 97人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ささら(プロフ) - はじめまして、最近読みはじめました。文句とかクレームではないのですが、76話の夏祭りが夏休みになってるのですが、夏休みで大丈夫ですか？いきなりですみません。小説面白いです。続きも読ませて頂きますますね。長文失礼しました。 (2018年8月28日 12時) (
レス) id: 48abc9c141 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 気づけば20000hit突破！！本当に嬉しいです、皆様いつもありがとうございます！ (2017年3月28日 13時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 甘楽さん» 気づいて下さって良かったです！おかげさまでノートも見つかってパート３を書いてるところです。これからもよろしくねお願いします(*^-^*) (2016年12月29日 19時) (レス) id: 7a3c0441dd (このIDを非表示/違反報告)
甘楽 - 復活したんですね!良かったです!下書きノート探し、頑張ってください (2016年12月29日 18時) (レス) id: 66e4a81c26 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 甘楽さん» 本当にありがとうございます！ そう言ってくださって本当に嬉しいです！ お待たせして申し訳ありません、超亀更新ですが今日から更新再開します！ これからもよろしくお願いします！！ (2016年12月17日 14時) (レス) id: bdfc419512 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
