69話 名前 side雲雀 ページ25
並中へと戻り、応接室の戸を開ける。
「……」
そこには書類そばで眠っている風切がいた。
仕事は終わらせたのだろうか。
確認のため書類を手に取る。
仕事はすべて終わっていた。
「すーすー……」
それから自身の席に座って溜まっていたほかの仕事にとりかかった。
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日が暮れて、仕事がすべて終わったころ。
帰宅しようと立ち上がる。
その時、そういえばと風切の方を見た。
いまだにぐっすりと眠っている風切。
よくもまぁそんなに寝れるよね。
「ねぇ君、起きなよ」
身体を揺さぶっても起きる気配はない。
イラついて少し殺気を含めて起こしてみる。
「起きてってば」
「……や、だ」
そう返事をした風切。
起きてるならさっさと起きろ、そう思ってトンファーを出すと、
「ゆ、か……」
スゥッと彼女の頬に涙が伝った。
呟いたのはあの日と同じ名前。
彼女の、亡き親友の名前。
「風切、起きろ」
パンっと肩を叩いてみるとビクッと震えた。
こんなに起きないならほっといていいかな。
そう思って風切の肩に置いた手を放す。するとなぜだか彼女は僕の手を掴んで離さない。
「……」
彼女の頬に流れた涙はまだ乾いていなかった。
「……A」
僕は彼女の名を呼んで、肩を揺さぶった。
「A、起きて」
うっすらと彼女は目を開けた。
「ん……？」
ぼーっとしていた目がぱっと見開かれた。
「ひ、ひばっ、雲雀さん！！」
がばっと勢いよく体を起こしあたりを見回す。
「す、すいません、雲雀さん！ あ、あと仕事終わりましたっ！」
焦って立ち上がる彼女。
「起きるのが遅い。もう帰るよ、A」
「あ、はいっ！！ …………へっ？」
彼女をおいて僕は歩き出す。焦った彼女は追いついた。
「え、あの雲雀さん？ さっき、あの……」
「何？」
「あ、いやその……」
彼女は口ごもる。
「僕は帰るよ」
「あっはい……」
彼女は立ち止って目を泳がせている。
一言だけ、言った。
「じゃあね、A。また明日」
彼女はばっと顔を上げて僕をひどく驚いた様子で見た。
口が何度か開いてその後、花が咲いたような笑顔に変わって言った。
「はい、さようなら雲雀さん。また明日」
そうして僕は並盛中を後にした。
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ささら(プロフ) - はじめまして、最近読みはじめました。文句とかクレームではないのですが、76話の夏祭りが夏休みになってるのですが、夏休みで大丈夫ですか？いきなりですみません。小説面白いです。続きも読ませて頂きますますね。長文失礼しました。 (2018年8月28日 12時) (
レス) id: 48abc9c141 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 気づけば20000hit突破！！本当に嬉しいです、皆様いつもありがとうございます！ (2017年3月28日 13時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 甘楽さん» 気づいて下さって良かったです！おかげさまでノートも見つかってパート３を書いてるところです。これからもよろしくねお願いします(*^-^*) (2016年12月29日 19時) (レス) id: 7a3c0441dd (このIDを非表示/違反報告)
甘楽 - 復活したんですね!良かったです!下書きノート探し、頑張ってください (2016年12月29日 18時) (レス) id: 66e4a81c26 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - 甘楽さん» 本当にありがとうございます！ そう言ってくださって本当に嬉しいです！ お待たせして申し訳ありません、超亀更新ですが今日から更新再開します！ これからもよろしくお願いします！！ (2016年12月17日 14時) (レス) id: bdfc419512 (このIDを非表示/違反報告)
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