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式が始まって俺の名前が呼ばれるまで正直覚えていない。


『次は新入生代表挨拶です。2組二宮和也さん。』

「はい」


新入生が少しざわついたのが分かって声が上ずる。


舞台に上がって潤くんを探しても居なくて、しょうがなく原稿を取り出す。


「皆さんおはようございます。……



これからの学校生活楽しく過ごせるよう協力して行きますので、先生方先輩方これからよろしくお願い致します。」


何とか読み切ってお辞儀をして、舞台袖にはけた瞬間足の力が抜けそうになる。

気力で戻れば生徒会長の先輩の話が始まる所だった。



『新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。』



俺とは違う次元の人だ。
目の輝きも堂々とした態度も。

でもその笑顔には目が離せない魅力があって。



気が抜けたのか気づいたら入学式は終わっていて潤くんが目の前にいた。



『かーず、終わったぞ。』

「うそ、いつの間に?」

『お前ユーレイみたいに立ったり座ったり。意識飛んでただろ?』

「見てたの?記憶ないから確実に飛んでましたね。」

『やっぱり?ってか生徒会長の先輩かっこよかったよな!男でも惚れるってこういうことかーって和の意識は飛んでたんだっけ?』


男でも惚れるかーたしかに、なんて思いながらニヤニヤ笑う潤くんにマヌケな返事を返した……はずだった。

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作者名:みーたん | 作成日時:2017年12月19日 22時

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