Ep.26 ページ28
「プリンセスA。起きてください。」
「.......ッ..」
誰かの声にハッと目を覚ますと、後頭部がガンガンと痛む。
意識がはっきりとしてくると、とてつもなく高い天井に、豪華な金のシャンデリアが自慢げにぶら下がっているのが見える。
...と、思ったけど、目を凝らすと天井は高くなくてトリックアートであることが分かった。
本当の照明は部屋の隅から間接照明が入っている。
次に自分の体に目をやると、元々着ていた服ではなく真っ白のワンピースを身につけており、大きく開いた胸にはくっきりと青い薔薇の刺青がある。
「ココ、どこですか。あなたたちは誰なんですか。」
ゆっくりと体を起こしながら隣に立っている男から距離を取る。
「そんなに怖がらなくとも大丈夫です。私達はプリンセスを守るためにここに居ります。」
「私は、プリンセスじゃない。」
「いいえ、我が組織のプリンセスでございます。」
プリンセス、なんて。私は王の両親を持った覚えはない。
たしかに裕福だったけれど、姫だなんて呼ばれた記憶はなかった。
ふと辺りを見回すと、足の低い机に次元のジャケットと帽子が置いてあるのが見えた。
「.....次元、次元は!?黒い帽子をかぶった......無事なんですよね!?」
「ガンマン次元大介..ですね?コソ泥のルパン三世の相棒と言われている男。そんな奴がプリンセスに近づいていただなんて恐ろしいことこの上ありません。」
そう悲しそうな表情をしながら、男がパチンと指を鳴らす。
すると奥の大きな扉から似たような大柄な男たちが出てきて、男は『連れてこい。』とその人たちに命令した。
「次元は...ルパン達は、コソ泥なんかじゃない!!!」
「連れてまいりました。」
他の男の声がして振り向くと、そこにはシャツの下に包帯を巻いた次元の姿があった。
「次元....!!次元、無事だったのね..!」
私は高級そうなベッドから飛び降りて裸足のまま次元に駆け寄る。
だが、次元は何を言うでもなくただ空間を見つめている。
「...じげ、ん..?私だよ?私がわからないの?次元..!!」
そう言って何度問いかけても、次元は眉1つ動かさなかった。
唯一目の前の男が次元だと確認出来るものは、ペルメル...煙草の匂いだけだった。
「何を........何をしたのよ!!!!次元に、私達に何をしたの!?何が目的なの!!」
私は次元を守るように男たちに向き直ると、大声でそう言い放った。
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スノウ(プロフ) - sakuramikan182さん» やったぁ!!!ありがとうございます! (2020年10月5日 18時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
sakuramikan182(プロフ) - スノウさん» やっと更新しました..!是非読んでくださると嬉しいです! (2020年10月3日 19時) (レス) id: 479b7fd337 (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 更新頑張ってください!! (2020年7月8日 14時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - sakuramikan182さん» そうですか。余計な、お節介を言って申し訳ありませんでした。 (2020年3月13日 9時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
sakuramikan182(プロフ) - 遊星さん» コメントありがとうございます、作者です。ずっと更新しなければと思い続けていつの間にか月日が経ってしまっている状態です....。多忙のため更新が遅くなり本当に申し訳ないです。気長に待って頂けると喜びます!! (2020年3月13日 8時) (レス) id: 479b7fd337 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん@ | 作成日時:2019年12月7日 10時