山田家に妹が出来ました

6話 ページ8

二郎side





｢と言うことで、彼女達は僕たちが責任を持って育てることにしました｣
｢そうかい、君達になら安心してお願い出来るね｣





昨日、兄ちゃんや三郎と決めたこと

例の2人は今日から俺達の妹になる、んだけど………





｢ほら2人とも、彼らは優しい子達だよ、安心して出ておいで｣
｢｢………｣｣ｼﾞｯ…





その2人は柱の陰からこっちを見てるだけで、全然近寄って来てくれない





｢お〜い、おいで〜｣
｢｢………｣｣ｼﾞｯ…





しゃがんで呼んでみても反応無し

こんなちっせえ子の相手なんてしたこと無いから、どうすればいいのか………

助けて兄ちゃん………





｢ん〜………2人とも人見知りなのか………？｣
｢それもあるだろうけど、まあ、今まで育ってきた環境のせいでもあるかもな｣
｢環境？どーゆーことだ？｣
｢はあ………そんなことも分からないのかよ、これだから低脳は………｣




こいつ………っ
口を開けばそればっかだな！？
悪かったな、頭悪くて！！





｢今まで、自分達以外の人間にほとんど会ったことがなかったから、怖いんだろ｣
｢！………そっか、そうだよな………｣





知らない所で知らない人に囲まれてるんだもんな
そりゃ怖くないわけねえよな





｢一郎くんなら、一度会ったことがあるから話せるんじゃないかな？
入院している間に、私とも少し話せるようになったし｣
｢！………おにいさん………？｣
｢そう、君達をここに連れて来てくれたお兄さんのことだよ
彼らはそのお兄さんの家族なんだ｣
｢かぞく………｣









.









｢わたしも………？｣
｢え？｣
｢わたしも………百子も、かぞく………？｣
｢おねぇちゃ………？｣





俯き、ずっと百子ちゃんとつないでる手を震わせながら言う十子ちゃん





｢………そうだよ、俺達、今日から家族になるんだ｣
｢君達は僕らの妹になるんです
さあ、帰りましょう？僕達の家に｣





三郎と一緒に2人に手を差し出して、2人がゆっくりと、手をつないだままこっちに歩いてくるのを待つ









十子ちゃんが俺の、百子ちゃんが三郎の手を握ってくれた時、その手があまりにも小さくて、細くて



それだけじゃ無い、近くで見るとよく分かる



体も、存在感も、何もかもが小さい









俺達が守る、守らないといけない









守りたい、と思ったんだ

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