山田家に妹が出来ました

15話 ページ18

一郎side



｢ただいまー｣
｢ただいまー！！おねえちゃん、はやくー！！｣
｢こらこら走るな〜｣
｢百子、ま、まって……｣



家に着くなり、大急ぎで靴を脱いで部屋へ向かう百子ちゃんと、慌ててそれを追う十子ちゃん

早く二郎と三郎に服を見せたいらしい


2人が動いてるのを見てると、色違いのワンピースのスカートが揺れて、花びらが舞ってるみたいだ



｢あ、兄ちゃん、十子ちゃん百子ちゃん、お帰りー｣
｢お帰りなさい、服の件、どうでしたか？｣



俺たちが帰ってきたことに気がついた二郎と三郎が出て来た



｢た、ただいま、です｣
｢じろにい、さぶにい、みてー！！｣
｢お？おお！！新しい服か、似合ってんな！！｣
｢十子ちゃんが水色で、百子ちゃんがピンクですか
可愛いですよ、2人とも｣



二郎が百子ちゃんを抱き上げ、三郎が十子ちゃんの頭を撫でる

割と懐いてくれてた百子ちゃんだけでなく、ずっと緊張気味だった十子ちゃんも子供らしく笑っている


昨夜、思いっきり泣いたのがよかったのか？



｢兄ちゃん、その袋ってもしかして、全部服？｣
｢ああ、乱数の奴も2人のこと気に入ったみたいでな
随分ともらっちまった｣
｢わぁ……これだけあれば、2人の服についてはしばらく困らなそうですね｣


確かに、量だけじゃなくてカジュアル系とかガーリー系とか、色んな系統の服があるしな

ほんの少しの時間でこんなに……

流石デザイナーって感じだな





あ、そうだ



｢明日は2人の日用品とか買いに行くからな｣
｢それなら、僕もお手伝いしますよ、いちにい！！｣
｢俺も！！｣
｢そうだな、買いたい物も多いし、頼むぞ｣



子供用の椅子と、プラスチックの食器、おもちゃもあった方がいいな……あと絵本とか……



｢おかいもの？あしたもおでかけ？｣
｢おう、色々買ってやるからな｣
｢おねえちゃ〜ん、おかいもの！！あしたもおでかけだって〜！！｣
｢たのしみ、だね｣
｢うん！！｣



はしゃぎながら話しかける百子ちゃんに、笑いながら相槌を打つ十子ちゃん

よかった、十子ちゃんも年相応の表情が出来るようになってる



｢晩ご飯の用意出来てますから、手を洗ってきてくださいね｣
｢今日は三郎が当番の日だったな、ありがとな｣
｢ありがとうございます｣ﾍﾟｺ
｢いえ、これくらい朝飯前です！！｣



｢一名様、洗面所へごあんな〜い｣
｢きゃ〜、あはは！！｣
｢あ、まってください〜……！！｣




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