いち ページ1
ピーンポーンとチャイムが鳴る。
まだ頭が回ってない中誰かなと寝ぼけた目で見に行く。
そこには、ゾムさんとトントンさんがいた。
珍しいメンバーだな。
『来てくれてありがとうございます。準備がまだですので少しお待ち下さい。』
「あぁ、ごめんな！早く来てもたわな！！まだ時間もあるからゆっくりでいいで！」
なんて言われるが早くしなければ次第にイライラしてくるのがゾムさんの性格だ。
『お気遣いありがとうございます。では少々お待ち下さい。』
と、早速部屋に戻って制服に着替える。
さっきのイケメンは攻略対象12人の中の2人だ。
元々14人居るはずなのだが、あと2人は先生という事で攻略対象では無いらしい。
なぜこんな事を知っているのか。
それは私が……………
元々ゲームプレイ者だからだ。
頭でも打ったのか。
普通ならそう思われるが事実なのだから仕方ないだろう。まぁ科学的にありえないが。
元々私は普通の女子高校生だった。
顔も頭も運動神経もずば抜けて良かった訳では無い。
そこら辺にいる女の子と一緒。ゲームでいえばモブだろう。
そんな私は、ある日この世界。いわば恋愛もののゲームに出会った。
普段の生活では感じられないときめき。それに惹かれ私はいつもいつもプレイした。
そんなある日、私はいつも通り1人で登校していた。
早く帰ってゲームしたいなと考えながら。
信号を渡った。
いや渡ろうとしたのだ。
突然横から強い衝突。
その後は直ぐだった。車の運転手からの「大丈夫ですか！？」という声。
きっと車に跳ねられたのだろう。
そう気付いた頃には、目の前が真っ暗になり、突然白い光。
周りを見渡すと誰かの部屋のようだった。
私は助かったのだろうか？ここはどこ？
不安、安心、焦り。
色々な感情。
そして突然声が聞こえた。
「A〜早く準備しなさい。遅刻するわよ」
頭が混乱した。
聞いた事ない女性の声。
呼ばれた名前は私の名前ではない。だが私に言われた。そう感じた。
取り敢えず身体を起こしそこにあった鏡台に目を向ける。
そこには、例のゲームのヒロインがいた。
意味がわからなかった。
とにかく頭を回転させた。今までこんなに考えた事がないぐらい。とにかく考えた。
そしてやっとたどり着いた答えは……
ここはゲームの世界なのだという答え。
そしたら何もかもが辻褄が合う。
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作者名：まい | 作成日時：2020年10月2日 17時
