依 存 症 状 ｰ 2 ｰ

依 存 36 ページ6

以前に一度、そういった事をしない様に
されそうになったところで上手く交わす。


と言う様な事をしてみたことがある。




――だけど。


(――失敗に終わっちゃったんだよなぁ。)




朝起きて、起こした時
いつも通り「おはようございまさァ」と言って
起き上がるそーちゃんは私に顔を近付けてきたので。


『おはよう、そーちゃん』


そう言って微笑んで、素早くタンスの方に
移動して隊服を出して交わすことに成功したのだけど。




「A…」


そう言ってそーちゃんは眠そうな顔をしながら
腕を拡げていた。


(――こ、これは、抱き着いてって事かな…？)


その行動に私に何を求めているのかを
感じ取り持っていた隊服をそーちゃんに差し出す。


『はい、そーちゃん。隊服』


するとそーちゃんは眉を下げて、しょげてしまった。


もし獣耳が付いていたら垂れてしまっている位の
レベルでしょげてしまった。


(――可愛い…。)


そうしたのは自分なのに不謹慎な事を思ってしまう程。


少しの間の後、そーちゃんが口を開いて、




「A、俺の事嫌いになっちゃいやしたか…？
もう、くっ付いてくれねェんですかィ…？
そんなの、嫌でさァ………」


そう言って下を向いた。


それに私は凄く可哀想になって、堪らず
抱き締めてしまったものだから、キス、されてしまって。


更に悪化してしまった。






――本当に、どうしよう…。

依 存 37→←依 存 35