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ーAsideー
「しかし本当に暑いな……」
私がいつしか誕生日にあげたハンカチで流れる汗を拭くお姉ちゃん。お姉ちゃんって汗っかきだっけ？
「んでそんな中途半端に袖まくってるんだよ」
『だって今日ちょうど良くない？』
「はぁ！？35度もあんだよ！？あんたおかしいんじゃない？」
『え？35度…？』
___正式名称は無痛無汗症。
痛みを感じず、暑さも感じない。 厄介で最悪な病気だよ___
Helter Skelterでうたさんが言っていたことがふと脳裏に浮かんだ。
相変わらず感じない痛み。暑さを感じられないのって病気が進行してるからってこと？それってすごくまずいんじゃ。
『あ、あー！言われてみれば暑いかも！すごく暑い！！』
袖を大げさにまくり ブラウスも第二ボタンまで外し 手で顔を仰ぐ。
「…疲れてんのか。昨日しっかり寝た？」
『ちょっと寝不足かも…？』
「ふーん」
絶対誤魔化しきれてない。どうしよう。嫌な汗がにじむ。
「あ、もうここか。帰り道気をつけろよ」
『はーい』
できるだけ全力の笑顔で手を振る。お姉ちゃんはいつもと変わらずそっけない。すぐにイヤホンで耳を塞いでしまった。
『…どうしたらいいんだろう』
仮に私が「無痛無汗症」だとしたら直す方法はあるのだろうか。
うつむきながら良い解法を考えてみるも頭が空っぽなせいで切れ端も思い浮かばない。
いつの間にか旧校舎前。どうやら私の体が学校までの道を覚えてくれたらしい。ありがたい。
校舎内は相変わらず古くて歩くだけで床が軋む。数日前と何も変わっていない安堵感。
私の家にはそれがない。行く度行く度にあの時壊れてしまった家は元の姿へと戻っていく。
数日ぶりということもあり教室に入るのを躊躇してしまう。みんなにどんな目で見られるかな。何があったのか聞かれるかな。
一度止めた足を再び動かし、勢いで教室に入った。
『…おはよ』
「あ！来た！！」
「おはよ！」
「おはようございます！」
「大丈夫そうでよかった」
大げさに反応されないのが何よりの救いだった。
『うん、心配かけてごめん』
本当は心配しないでほしいなんて言えなかった。本当に心から心配してくれているであろうその目に棘はさせない。
抱きついてくるカエデの頭を撫でる。少し癖があるカエデの髪は触り心地がいい。
痛みも暑さも感じない。いくつかの感情が枯れつつある私にカエデは一体何を求めてるの？
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eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの複雑な感情が伝わってよかったです。更新頑張ります！ (2019年5月25日 0時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - part7おめでたうです！ 真相が明らかになっていく...！ 夢主ちゃんの感情がひしひしと...こう、ひしひしと伝わってきて、すごいなぁと思います。eyeさんのペースで更新頑張ってください！ (2019年5月24日 22時) (レス) id: c1e6d1df23 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - よつぎさん» ありがとうございます！なかなか物語が進まず申し訳ないです…！完結目指して頑張ります！！ (2019年5月20日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
よつぎ(プロフ) - いつも、楽しみに読ませてもらってます！Part7でも、更新頑張って下さい！応援しています！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: 1767016ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年5月19日 22時
