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ーAsideー
目を開けて数回瞬きをするとウタさんが優しく頭を撫でてくれた。
「美味しくなくても飲み込んだほうがいいよ。流石になにも喰べてないのはマズイから」
私は頷いて、いつのまにかほぼ匂いを感知できなくなってしまっていた鼻をつまんだ。
味を感じないのだから意味はないが、気がまぎれる気がした。
「匂いを感じないんじゃ食欲も出ないはずだよね」
納得したように頷くウタさん。私は口内にある噛み砕かれた物体を飲み込んだ。
「さっきも言ったけどなにも喰べないのはさすがに良くない。今みたいに力が入らなくなることだってあるだろうし、何よりいつ暴走するかわからないでしょ？」
『おっしゃる通りでございます』
「…どうしても無理だったらまたおいで」
『うん』
ウタさんは湯気が立ち上る珈琲であろう液体を飲むと、「熱中症に気をつけて」と言った。
『ウタさんも』
手を振ると優しく振り返される。
少しさみしそうな顔をするウタさんに首を傾げた。
ー
あんていくに戻ったのはあんていくが閉店してからしばらく経った後だった。裏口から入ると珈琲豆の保存庫から音が聞こえてくる。ネズミでも入ったのかとそっと覗きにいくと芳村さんが作業をしていた。
「おや、おかえりAちゃん」
『ただいま、帰りました』
芳村さんは笑顔で一度頷く。
「何か用かな？」
『少しお話があって』
「わかった。もう少し待っていてくれるかな」
『手伝いますよ』
「それはありがたい」
私あんていくで匿ってもらってからだいぶたつけどこうやって手伝いしたの初めてかも知れない。年齢的に働けないって言い訳もあるけど、それこそ喰種だから法律は関係ないし…。
部屋貸してもらったり、いろいろお世話になってるのになぁ。なんて薄情なんだろう。
芳村さんの指示の元、瓶を整理したり豆を足したりしていく。
一通り作業が終わると芳村さんが倉庫の電気を消した。
「手伝ってくれてありがとう。お陰で予定より早く作業が進んだよ」
『いえ。当然のことなので』
当然のことなのに今までできていなかったのが恥ずかしくて思わず下を向いた。
「空き部屋に行こうか」
『はい』
芳村さんの後について空き部屋へ向かう。ここの空き部屋は前雛実の部屋として使っていた場所だ。今はお姉ちゃん家にいるから正真正銘の空き部屋になってしまった。
「それで、話というのは」
『学校の話です』
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eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの複雑な感情が伝わってよかったです。更新頑張ります！ (2019年5月25日 0時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - part7おめでたうです！ 真相が明らかになっていく...！ 夢主ちゃんの感情がひしひしと...こう、ひしひしと伝わってきて、すごいなぁと思います。eyeさんのペースで更新頑張ってください！ (2019年5月24日 22時) (レス) id: c1e6d1df23 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - よつぎさん» ありがとうございます！なかなか物語が進まず申し訳ないです…！完結目指して頑張ります！！ (2019年5月20日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
よつぎ(プロフ) - いつも、楽しみに読ませてもらってます！Part7でも、更新頑張って下さい！応援しています！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: 1767016ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年5月19日 22時
