夜に浮かぶ金魚 (ページ3)

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彼失正気回蹴ページ3

一瞬系ちゃんが怯む。

ミココは言葉を続けた。

「この人を殺したのが同じ犯人なら、中堂さんは関係者です。」

私も、と、ミココの隣に再び出た。

『系ちゃん聞いて。犯人憎んでるんでしょ？犯人憎さに結果をねじ曲げたと思われたら、後々の裁判で不利になるんだよ！』

「裁判はどうでも、」

まだ系ちゃんは反論しようとする。

だが、ミココがはっきりした声で言う。

「鑑定者の名前は！私じゃなきゃダメなんです！」

「そんなもんは…！」

『っ、所長さん』

系ちゃんは、所長さんを押し退け進む。

私は精一杯声を張り上げた。

『系ちゃん早まるなー！！！』

系ちゃんの後ろに回り、回し蹴りを披露した。

皆口を開ける。

「そういえば、A…」

ミココが真っ青な顔をしつつ私を見た。

「お前…っ！」

『また同じ過ち繰り返すの！？バカ？』

あたりが、しん、と静まり返った。

そんなの気にせず私は言う。

『昔と今は違う。今は、私たちがいる！頼れよ、頼れよ！』

自分の胸を勢い良く叩いた。

系ちゃんの目が見開かれる。

そのすぐ後に、ふいっと横を向いてしまった。

『…で、系ちゃん。良いよね？ミココやっても』

「…勝手にしろ」

皆がホッとした。

六郎が、私の頭にそっと手を乗せる。

「お疲れ」

『…うん、疲れた』

私がちらりとミココを見ると、同じタイミングでミココも私を見る。

２人で同時に頷いた。

「犯人を…、今度こそ、見つけましょう」