姉弟 ページ44
『入間〜ちょっといいかい?』
入「お姉ちゃん?うん!!いいよ!」
僕は、入間の返事を聞き中に入る。
『お邪魔しまーす…ってすごい量だね』
入間は部屋の中で大量の宿題に囲まれていた。
入「アハハ…これでも半分終わったんだけどね…」
そういって入間は重いため息をつく。そんな入間の様子にクスリと笑ってしまった。
『少し見てもいいか?』
入間の許可をもらい僕は、入間の隣に座り終わったと言われた方の宿題を見る。その内容は僕の知ってる知識と似て非なるものだった。
やっぱり、難しいな…僕の知識は生きるためのものだったし…
入「そういえば、お姉ちゃん何かあったの?」
『あ、いや大したことじゃないんだけどね。』
僕は、宿題を元の場所に戻し入間に向き直る。
『ねぇ入間、君は人間界に戻りたい?』
入「え…?と、突然どうしたの?」
入間は困惑したように僕と目を合わせる。その眼には、どこか恐怖が混じっているような気がした。そんな入間を見て僕は優しく落ち着かせるように話す。
『入間は僕と一緒に暮らしたいと言ってくれた。すごくうれしかった。もちろん僕も入間と一緒に居たい。そこで、僕なりにもう一つきちんとけじめをつけたいんだ。
この魔界で生きるっていうけじめを』
入「魔界で生きる…けじめ…」
『僕なりにこの家で暮らして考えてみた。それでもやっぱり最後は、入間…君の意見を聞きたいんだ。
入間は、人間界に帰りたい?』
入「帰りたくない」
即答した入間に僕は、少しだけ驚いた。
入「確かに最初は、すごく怖かった。どうしたら帰れるだろうって考えてた。でも、魔界で初めて友達が出来た。勉強は苦手だけど新しいことを知れるのはすごく楽しい。何回も死んじゃうかもって思ったけどそれ以上にここでの暮らしが楽しいんだ。」
それを聞いて僕はどこか安心していた。入間が自分自身の意思でここに居たいと思えているのだと…それなら僕の答えは一つだと思い、立ち上がる。
入「え…?お姉ちゃん?」
『ありがとう入間…僕も決心がついたよ。入間…』
僕を不安げに見つめる入間と目線が合うようにもう一度しゃがみ頭を撫でる。
『本当に大きくなったね…
大丈夫だよ、僕はどこにも行かない』
そう言って僕は、入間の部屋を後にする。
そして、僕はオペラさんが居るであろうキッチンに向かう。
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莉愛まる(プロフ) - 朔writeさん» わかりました。ありがとうございます!こんな質問に答えてくださって、、、。 (2022年5月11日 4時) (レス) id: bde59aa3a0 (このIDを非表示/違反報告)
朔write(プロフ) - 莉愛まるさん» 更新いたしました。お待たせしてしまってすみません (2022年5月10日 19時) (レス) id: 1a10752ffc (このIDを非表示/違反報告)
朔write(プロフ) - 莉愛まるさん» コメントありがとうございます。すみません、まだお話が作れていないので非表示にしています。もう、しばらくお待ちください。 (2022年5月10日 17時) (レス) id: 209949b2bb (このIDを非表示/違反報告)
莉愛まる(プロフ) - つぎのおはなしのことです! (2022年5月10日 15時) (レス) id: bde59aa3a0 (このIDを非表示/違反報告)
莉愛まる(プロフ) - あのっ!パスワードがかかっていて読めなかったので、お伺いしたいのですが、、、 (2022年5月10日 15時) (レス) @page49 id: bde59aa3a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔write | 作成日時:2022年2月28日 17時