鈴木入間には７歳年の離れた姉がいます(仮) (ページ5)

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僕の両親は、非常識だ

母「見て！あなた！！悠乃が立ったわ！！」
父「すごいじゃないか！じゃあ今日から自立だな！！！」

そう言って僕は、齢１歳にしてマグロ漁に連れていかれた…そこからお金を求めてバイト漬けの日々が続いた。でも、おかしいなんて思ったことがなかった。だってこれが僕の日常で普通だったから。

僕が7歳の頃この日常に転機が訪れた。
ある日4か月の長期バイトが終わり家に帰ると母親のおなかが膨れていた。

『母さんそのおなかどうしたの？』
母「悠乃。この中には赤ちゃんがいるの。あなたは、お姉ちゃんになるのよ」
『お姉ちゃん…』

僕の中で何かが変わった気がした。その日から毎日少しでも早く家に帰ろうと思うようになった。早く弟に会いたくて仕方がなかった。家に帰っては母にいつ生まれるかと聞き続けた。

しかし、弟が生まれるという2週間前に父にマグロ漁に連れていかれてしまった。僕はこの時初めて、バイトに行きたくないと思った。

『やだよ！だって私お姉ちゃんになるのに！弟に会えないなんてやだ！』
駄々をこねる僕に父は言った。
父「悠乃。お姉ちゃんになるならもっと頑張らないと。お金がもっと必要になるんだ。わかるだろ？家族が増えるんだから」

『もっと…弟の為に…』
父「そうだよ！弟の為に！！悠乃ならできるだろ？」

『うん！！！できる頑張る！！』

この時の僕は、ただ純粋に「お姉ちゃん」という言葉が輝いて見えていた。